寺山修司、天井桟敷、フーテン、万有引力、少女革命ウテナ… J・A・シーザーという男に取り巻くキーワードを挙げれば切がない。それはこのアーティストの深遠さを物語っている。2002年に出版され、長らく絶版となっていた『J・A・シーザーの世界』が装いを新たに〈完全版〉として復刻。最新インタヴューはもちろん、作品を網羅したディスコグラフィ/バイオグラフィも最新の情報で追加された。日本プログレッシヴ・ロック界の生きた伝説を紐解くこの書物は、(本書の言葉を借りるのであれば)「熟成期や発酵期を待」っていたのだろう。いまだからこそ僕等はこれを読まねばならぬのだ。