いわゆる移籍の布石となったKUSH制作の前シングル“No Make Up”(2015年)を置き土産に、アメーバ・カルチャーを離れてYGへ移ったZION.Tがついに新曲を発表した! とはいえ、いわゆるYG移籍後初の……というノリのものではなく、彼がプロデューサーとして現在出演している韓国の大人気(すぎる)ラップ・バトル番組〈Show Me The Money 5〉の企画で作られたもので、“쿵 (Knock)”と、番組内でチームを組むKUSHとの“Machine Gun”の2曲。
楽曲の細かいクレジットは不明だが、“쿵 (Knock)”は“양화대교 (楊花大橋)”以降のZION.Tのシックなモードを汲みつつ、これまで以上に自身のラップをフィーチャーしたナンバーで、アレンジにも関与したというお馴染みユン・ソクチョルのピアノが良すぎる。リリックでは〈GRAY、LOCO、CRUSH、ELO~〉とVV:D(ZION.Tが所属するクルー)のメンバーの名前が出てくるので、何について言ってるんだろうと思って調べてみたら――ざっくり言うと、(自分も含めて)みんなそれぞれに活躍しているのはいいことだけどさ、ふと呑みに行きたいと思ってもアイツらに会えなくて悲しくなったりする。サングラス(ZION.Tのトレードマーク)はめちゃ重いし、自分に当たるライトは明るすぎる、すべてがトゥー・マッチだよ。ただ、スターになったいまも俺は何ひとつ変わってないぜ――といったことらしい……大変なんだな。そんな切なさがトラックに充満している。
もう一方のKUSHとのコラボによる“Machine Gun”は、WINNERのMINOをフィーチャー。これは完全に〈SMTM〉向きの曲といった感じで……以上です。
さて、ではYG移籍後初の音源はいつになるのか、やっぱり〈YG FAMILY CONCERT〉とかに出ちゃったりするんだろうな、などなどワクワクが尽きないZION.Tの動向。来るべき日本上陸が素晴らしいものになりますように!