90年代初頭から第一線で活躍し、ゼロ年代の一大ダンスホール・ブーム時にはT.I.ミッシー・エリオットらの作品に客演するなど外交官的な役割も果たした、人呼んで〈キング・オブ・ダンスホール〉。彼の10年ぶりとなる新作が、あの〈ザンザンジギジギ~〉が、USアーバン界隈でレゲエ熱風の吹き荒れている最中に聴けるなんて、バッチリすぎるタイミングでしょ! メジャー・レイザーイエロー・クロウ製のトラップ路線、驚きの80sファンク調、久々の再会となったエイコンの〈らしさ〉炸裂なほのぼのミディアムほか、世界市場を強く意識しつつ、宿敵バウンティ・キラーとのコンビ・チューンをはじめ、ジャマイカ国内のファンにもしっかり視線を向けているのが流石。しかも、どの曲もエンターテインしていて、(月並みな言葉ですが)誰もが気軽に楽しめる内容に。緩急自在のマイク捌きを武器に圧倒的な芸の幅を見せつけた一枚。こんなアルバムを作れるDJは、マジでビーニ以外にいません!