OPUS OF THE YEAR 2016
[特集]2016年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音。ゆきゆきて音楽――2016年もいい作品は山ほどあった!というあなたも、最近好きなアルバムあるかい?というあなたも、ここで紹介する作品をチェックしまくって、スムースに素敵な新年を迎えましょう。まずはこの100枚から!!
★Pt.1 bounce編集部の選ぶ2016年の100枚・前編
★Pt.3 100枚では語り尽くせない、2016年の様相
JUST A TOUCH OF 100
bounceの選ぶ2016年の100枚 51⇒100
『Kid A』以降は電子的なエレメンツが先行していた彼らだが、本作の中心にあるのは有機的なバンド・アンサンブル。オーケストラルな意匠や不穏なアンビエンスなど、これまでの成果も継承しつつ、次なる変化の季節を予感させた。 *土田
〈フジロック〉の出演中止は残念だったが、16年ぶりの新作は無事に到着。ダニー・ブラウンやトロ・イ・モワ、ジョナサン・ドナヒューらの歌/ラップをフィーチャーし、自由な発想と音楽愛に溢れたサンプリング・ポップを披露! *土田
何年も延期していた本作が、ポップ・パンク復権を決定付ける一撃になったので結果オーライ! 地元色が全開、合唱パートだらけ、速い、うるさい、わかりやすい——キッズが2016年に求めたのは懐古趣味たっぷりなこの音です。 *山西
前作のシングルがレゲエの本場ジャマイカでも大ウケし、この2作目ではショーン・ポールを招くなどそっちの比重をアップ。それが北米のトレンドともマジカルにハマり、優男風の歌も相まって広く浸透していったのでした。 *山西
延期しまくっただけに無事に出たのも奇跡的だが、ディアンジェロ賛美が広く定着した後というのは絶妙のタイミングだったのかも。何にせよ、ジャズ系の顔ぶれも従えて躍動するリズミックで豊潤な歌世界には抵抗不能だった。 *出嶌
新たにデンジャー・マウスと組んだとか、鍵盤に焦点を当ててエルトン卿まで招いたとか、トピックの多い本作を携えて〈フジロック〉のトリにも登場。渋味のある酩酊ファンクで新境地を拓く姿に後輩たちは襟を正したとか。 *山西
〈醒めない〉のはロックンロールへの情熱――そんな意志に貫かれた15作目。4人のアンサンブルも草野マサムネの綴る歌詞も、常よりラウドで直接的。ロック・バンドとして音を出すことの喜びが聴き手を幸福感で満たす傑作だ。 *土田
STEVEN TYLER We're All Somebody From Somewhere Dot/Big Machine/ユニバーサル(2016)
初のソロ作はカントリー!?と物議を醸したが、ラウドなギターがしっかり鳴ったコンテンポラリーな内容でファンも納得。同時にエアロスミスの解散説も消え、バンドの南米ツアーも無事に終わって一件落着!? *山西
キース・スウェットと並ぶジャケの着こなしっぷりも麗しい、ソロ30周年&還暦の記念盤。久保田利伸から岡村靖幸まで豪華な作家陣を迎えつつ、普遍のラヴソングに殉じる姿勢は不変。近年顕著なナイアガラ愛も清々しい名盤だ。*出嶌
「マクロスΔ」に登場する〈戦術音楽ユニット〉の初作は、多様なフォーメーションを歌いこなす5人のスキル、組曲的なオーケストラル・ポップに始まる美曲群に驚愕。年明けにも新作を控え、アニメ終了後も彼女たちは止まらない! *土田
スクールボーイQと並び、まるでデス・ロウばりなGファンク作法をオーセンティックに見せつけた西の新定盤。話題を呼んだ“FDT”とミックステープ『Red Friday』に続く一手として、新年にその真価は問われるはず。 *出嶌
〈Black Lives Matter〉と呼応しながら、殿下オマージュ、ネオ・ソウル風、斜めからのレゲエ解釈など時代の空気を凝縮した一枚。前作以降の外仕事である程度の予想はしていたけど、それを上回る質とヴァラエティーに感服。 *山西