完全なる不完全性をカラフルに磨き上げ、返り咲いたメジャーの晴れ舞台で6人はPERFECT YEARを宣言する。貪欲な音楽愛に溢れた完全体の一撃を喰らえ!
メジャーからインディーへ、そして昨年春にメジャーの舞台に返り咲き、以降のシングルをすべてオリコン週間ランキングのTOP10に送り込んできた、バンドじゃないもん!。2011年にツイン・ドラムの2人組ユニットとして始まり、2014年から現在の6人に――と、それなりの紆余曲折を経てきたグループですが、ここに来ての勢いはハンパじゃないもん!……というベタベタなダジャレはさておき、2017年を〈バンドじゃないもん! PERFECT YEAR〉と銘打って驀進中の彼女たちが、その最初のハイライトとなるニュー・アルバム『完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を♥』を届けてくれました!
欲ばりなアルバム
――再メジャー・デビュー以降の勢いは、ここまで着実に積み上げてきたものがひとつひとつ実になっている感じですよね。
鈴姫みさこ「そうなんです。なんで売れてるのかわからない、なんかわかんないうちにここまで来ちゃったわけではなく、応援してくれるみんなと楽しみながら遊んで、ひとつひとつの過程を一緒に実感しながらここまで来られたのが良かったです」
恋汐りんご「〈この6人でやってきたぞ!〉っていう自負があるし、もんスター(バンもんファンの総称)の皆さんと一緒に成長してきたっていう意識があると思っていて」
望月みゆ「環境が変わったら、いままで自己プロデュースっていう形で結構やりたい放題やってきたことも制限されてしまうんじゃないか?って危惧もあったんですけど、逆にいろんな案をいただけるし、私たちが〈こんなことできたりしますか?〉って望んだことが現実になったりするのがすごく楽しくって」
甘夏ゆず「憧れていた人たちとお仕事させていただく機会が増えたのが、〈メジャー〉を感じる瞬間ですね。在日ファンクさんとか本当に大好きで憧れてた人たちだったし、生まれて初めて買ったCDはORANGE RANGEさんでしたから」
七星ぐみ「あっ、一緒にできるんだ!って。アートワークも私たちだけでは思いつかなかったものが実現できたり」
大桃子サンライズ「ワクワクすることがメジャーになってからさらに増えたなって思う。スタッフは共犯者というか、ピースだけど刺激的な人たち。〈おもしろいことやったろうぜ!〉って、愛が溢れてますね」
――そんななかで、ついにアルバムが完成したわけですけど、聴いてまず感じたのは、ずいぶんと貪欲なアルバムだなあと。
りんご「ホント、欲ばりな一枚」
みさこ「ここでいろんなバンもんを見せたかったし、アイドルだけじゃなく、いろんな音楽が好きな人に楽しんでもらいたかったので」
大桃子「これまでの作品でお届けしきれなかった6人の魅力を今回はフル突っ込みで」
――アルバムの序盤は、Q-MHz作の“キメマスター!”と“青春カラダダダッシュ!”から、電波ソング系のハイエナジーな曲でつかんでいって……。
ぐみ「“しゅっとこどっこい”で驚かせる(笑)!」
――“しゅっとこどっこい”は、可憐なアイドル・ソングかと思いきや、途中でラップが飛び出すわ、体操始めるわで。
りんご「ライヴですごく盛り上がる“タカトコタン-Forever-”を書いてくださったゆよゆっぺさんの曲なんですけど、バンもんらしさがすごく出てる曲で」
みゆ「バンもんを長く知ってくださってる方だからこそ出来た曲なのかなって」
みさこ「千葉に〈なのはな体操〉っていうのがあって……みたいな話をしてたら、ゆよゆっぺさんがそこにピンときて体操のパートが出来上がったっていう(笑)」
――“君はヒーロー”はGLAYのHISASHIさんプロデュースですけど、アイドルっぽさとバンドっぽさが絶妙なバランスで。
ゆず「マジでイイ曲なんで、早くみんなに聴いてもらいたいです。レコーディングではHISASHIさんとユニゾンでギターをご一緒させていただきましたし」
大桃子「HISASHIさんと一緒にギター弾けるアイドルもそういないよね」
みゆ「ライヴでもガッツリ演奏してお客さんを煽りたいなって思いますし、いずれHISASHIさんに飛び入り参加してほしいです」
奇は衒ってない
――メンバー作詞の曲もたくさんありますよね。大桃子さんが書いた“強気、Magic Moon Night ~少女は大人に夢を見る~”はEDMテイストの曲ですが。
大桃子「北関東の若者がクルマの中で聴くような(笑)、パリピみたいな歌詞でって。イケイケな感じというか、そこにアイドルっぽさとか健気さとかを入れて、メンバーの歌割りも考えながら書きました」
――ぐみさんは、“ロマンティック♥テレパシー”というすごく可愛い曲を。
ぐみ「デモを聴いた時に心地良い曲だなあって思ったので、その音に上手にハマる歌詞にしたいなと思って書きました。あと、作詞クレジットに〈浜野謙太さん、HISASHIさん、七星ぐみ〉みたいな感じで並んでて、一人前になったような気分がハンパないです(笑)」
――アルバムは中盤の“YAKIMOCHI”以降、その“ロマンティック♥テレパシー”や、みさこさんが作詞した“ドリームタウン”“秘密結社、ふたり。”あたりから……。
みさこ「シーンが変わりますよね。“秘密結社、ふたり。”は90年代のアニメのエンディングテーマ的な感じだったり」
――アイドル・ソングというより、限りなく〈J-Pop〉と呼んでおきたい曲がこのへんに散らばってます。
みさこ「そうなんです。メジャーに来て、よりメジャーになりたいっていう気持ちがあるので、老若男女に聴いてもらいたいし、新しいファンを引き込むことで、ずっと応援してくださってるオタクの人たちにもデカい顔をしてもらいたいという意味でそういう曲が多くなりました」
大桃子「でも、奇は衒ってないというか。楽器も演奏してるし、〈センスあるでしょ〉感を出し続けることは可能だけど、そこだけじゃなくて、ホントに世界中の人に親しんでほしいと思ってるから、まっすぐな気持ちで〈イイな〉っていうものを作った感じです」
みさこ「マスタリング中に聴いててしみじみ思ったんですけど、どの曲もイントロからイイなあって。このなかで好きな曲が一曲もないっていう人がいたら、それは単純に音楽が全然好きじゃない人だと思います。アイドルとバンド、どっちに寄ってるわけでもないということでの〈ふかんぜん〉、まだまだ広がっていく可能性がある、進化の余白を残しているという意味での〈ふかんぜん〉。『完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を♥』とは言っても、出来としては完ペキですから!」
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