本誌が出る頃には32年ぶりの来日公演も無事に終了しているはずの、アヴァンギャルド界が誇るレジェンドの新作。19世紀にアメリカで起こった列車事故をモチーフとするコンセプチュアルな内容で、数多の効果音を織り込んだシアトリカルな構成が楽しい。ダークなシンセやノイジーなギターで惨劇を再現し、語り部のようなヴォーカルが不気味に迫ってきたりする、年季の入った毒気たっぷりの暗黒ミュージカル。