ダフト・パンク、ジャスティスに続くフレンチ・プロデューサー、ユクセックが帰ってきました。ここ数年はブレイクボットの台頭で影が薄くなりかけていましたが、主宰するパーティーファインの好調もあって、昨年のEPの流れを受けたこのサード・アルバムで完全に復活した感アリ。ユーロ・ポップなノリのデケデケ・ベースでジンギスカンあたりを思い起こさせる“Sunrise”、至極の刹那系ポップ・チューン“Break My Heart”、セクシーでグルーヴィンな“Make It Easy”、彼流のソウルが貫かれたリード曲“Sweet Addiction”など、ヴォーカルをガッツリ入れて従来のリスナー以外にも間口を広げています。持ち前のドリーミーなサウンドにファンクやAORの要素を採り入れ、全体的に大人な雰囲気を漂わせた内容はイマっぽい。そしてヨーロッパ的なナヨッとした感じがまた良し。ストレートでレトロな表題を冠された各曲の完成度は高く、涼しい顔をしながら気合いが入っているのも窺えます。