ブラジル人五人組なんて書くといかつい印象を与えてしまうが、とても叙情的な調べ、しなやかなビートを奏でるアンサンブルである。なんでも現、カート・ローゼンウィンケル・バンドのギタリストで、注目集めつつあるペドロ・マルチンスのオススメという。ブラジルで台頭する若手音楽家達の新しい音楽ということなのだろう。MPBテイストのコーラスが絡み、目新しいことよりは手堅さの方が目立つという印象である。これがファーストアルバム、ということもあってか、そんな新鮮さ満載である。が、どこか80年代風なジャズロック的サウンドが郷愁も誘う。所謂パスコアル・イデオムから解放されつつある世代の響き、なのだろうこれは。