RAU DEFが残した作品、紆余曲折と名演の数々を一部紹介!
スキルフルなフロウの新世代感は抜群で、その年のベストに挙げる人も多かったほど鮮烈な傑作。〈CONCRETE GREEN〉への参加を経て登場したファースト・アルバムはPUNPEEが全体を監督し、NAKKIDやS.L.A.C.K.、STUTSらもビートを提供している。なかでもPUNPEEがフックも担った“DREAM SKY”の眩しさといったら!
世代感を意識した本作収録のマイクリレー“What's Generation”は、日高光啓が初めてSKY-HIという名を前に出してラップした一曲でもある。SHUN、KOPERUと並んでRAU DEFもそこでマイクを回していたのは偶然なのか。
レーベルを移籍し、前作から1年置かずにリリースした8曲入りのミニ・アルバム。直前のビーフで悪印象を纏ったのは無念だが、ドラマティックな冒頭から初作になかったタイプのビートを選んでアプローチの幅を広げている。YMGとGOICHIも制作に初参加するなか、PUNPEEがフックを担うJASHWON製の“Dyna Mic”がやはり絶妙。
JASHWON率いるプロダクション・チーム(現BCDMG)がUSのビンク!とリンクして作った初のアルバム。RAU DEFはRossi N Dee(HAIIRO DE ROSSI)と組んだビンク!作の“TOKYO GO HARD”で流石の対応力をアピールする。
SKY-HIが曲ごとに多様なプロデューサーとコラボ相手を迎えて成長を試みた企画のまとめアルバム。RAU DEFはSUNNY BOYのピアノ・ループが印象的な“WHIPLASH”に環ROYと共に登場し、シャープな個性を見せる。
もともと予定されていたEPから発展した2枚目のフル・アルバム。成り立ちゆえに全体の印象は雑多にも思えるが、刺激的なLil'諭吉との合体やY.G.S.P、SKY BEATZの参加など曲単位での収穫は多い。VITO、OMSB、MONDOHとのリレーのほか、YENTOWNを組む前のPETZとJunkman(4649dz名義)も参加。
両名が揃ってSUMMITを離れるのに前後してリリースされた話題作。MARIAも交えたコラボ曲“Better”ではバタついた独創的なビートに余裕のある不敵な語り口をしっくり馴染ませている。RAUとQNらはこの後MUTANTANERSを結成することに。
ZORNがZONEだった頃に実現していたダークサイドのコラボ。タイトなドラム・ループに乗せて閉塞感のある闇の中を進むような“Vampire Speech”では雑味なしにスキルフルな両者のマイク捌きが堪能できる。これは好勝負!
サ上とロ吉の多種多様なコラボ仕事を集めた編集盤。ここにエクスクルーシヴ収録されたスキー・ビーツ“24 BARS TO KILL”の〈Amebreak REMIX〉にRAU DEFが客演。HUNGERとMEGA-Gも交えた豪華なマイクリレーだ。
RAU DEFがGOICHI、YMGと結成した新ユニットの初作となるEP。『CARNAGE』の延長線上にある重厚なビートをYMGが用意し、GOICHIはトラックメイクに加えてマイクも握っている。ささくれ立って尖ったRAUの不敵さは劇画的なサウンド世界に引っ張られたものなのか。
徐々に動きが停滞していくなかでSKY-HIのレーベルに参加。再上昇を狙って初作と同じくPUNPEEにトータル・プロデュースを委ねた気合いは全体の構成が示す通り。SKY-HIもマイクを握ったほか、5lackやMARIA、ZORNも駆けつけている。今年MVが公開されたSugbabeとの“FREEZE!!!”はここに収録。
SKY-HIの現時点での最新シングルで、カップリングの“Walking on Water(Remix)”はRAU DEFにとっても健在ぶりを表明するカムバック曲となった。新世代ルーキーとしてLick-Gを交えた布陣も時の流れを感じさせる仕掛けか。