CDで追うSUMMITのディスコグラフィー Pt.1
前年のQN名義作に続くプロデューサー・アルバム。QN自身を含むSIMI LABメンバーを大々的にフィーチャーして、謎めいたクルーのカウントダウン的な役割も果たした佳作だ。Ryohuや菊丸、METEORら交流の深い面々も迎え、SIMI LABの名を広めた“Walk Man”も満を持して音盤化。これが品番〈SMMT-0001〉。 *出嶌
よく考えるとビート/ラップの両面で手腕を発揮する人が多く集まっているSUMMITだが、そんなレーベルのカラーは本編から間を置かずにこのインスト盤が出たことで表明されていたと言えるのかも。ボーナス収録されたエクスクルーシヴの“Time Race”にはこの後KANDYTOWNを結成する雄士もフィーチャー。 *出嶌
評判を取った『ESCALATE』で台頭した生え抜きのラッパー。それに続く8曲入りミニ・アルバムとなった本作は、結果的にSUMMITにおける唯一のCD作品に。同時期のリック・ロスやドレイクへの意識も覗かせつつ、スキルフルな語り口は唯一無二だ。PUNPEEのフックを従えた“DYNA MIC”がやはりいい。 *出嶌
大半のトラックをEarth No Madが手掛けたファースト・ソロ・アルバム。文語的な言い回しもリズムの個性とした独創的なフロウそのものを活かすべくビートはシンプルに仕立てられ、主役の持ち味に沿ったブルージーな色合いを放つ。“人間の証明”や“斃れて後已む Nigga”などは彼ならではのディープな世界だ。 *出嶌
時代との相性的にも絶妙のタイミングで放たれたクルーでの初作。WAH NAH MICHEAL名義も含めてOMSBのビートが核となり、“Natural Born”“Uncommon”などの代表曲でバウンシーな新鮮さが全開。Hi'Spec作の緊迫した“Show Off”や6MCの瑞々しい振る舞いも一体となった仕上がりは傑作と呼ぶに相応しい。 *出嶌
諭吉から出した『Dead Man Walking 1.9.9.0』の半年後に出たサード・アルバム。SIMI LAB脱退の前に完成していたこともあってか作品の雰囲気は当時のアクションとは裏腹なもので、OMSBを迎えた“Cray Man”やJUMAとの“Cheez Doggs”などはグループ作と地続きの佇まいだ。真っ当に曲で評されるべき一枚。 *出嶌
文字通りの〈One Man Slang Band〉として言葉とビートを叩き込むファースト・ソロ・アルバム。気分の振れ幅に任せて豪快なビート上を行き来しながらガシガシ語る粗削りなテンションはこの時期ならではのものかも。トラックメイクだけでなくラッパーとしての自身/自信をふてぶてしく押し出した名品だ。 *出嶌
OMSBやMARIA、USOWAらクルーの仲間も迎え、セルフ・プロデュースにも取り組んだ2作目は、くそったれな世の中を走り抜けるための信念を、歪んだビートにぶつけて息巻くアグレッシヴな一枚に。JUMAとのいつになく軽薄なやり取りがクルージング向けな“Route 246”もあって、無骨にライドオン気分! *北野
Bim、in-d、PalBedStockのトリオによる初作。ミニマルな酩酊トラックと隙間の多いラップが妙な中毒性を生む“Pool”を筆頭に、夢の中からはみ出してきたようなフワフワ具合がアンニュイな新しさを纏っていて、独創性はSUMMIT作品でも群を抜くか。“Ganna Ganna Ganda”ではOMSBがビートを提供。 *北野