DENONレーベルが誇る20の名盤を“究極の”高音質で!

 ハードとソフトの双方で高音質を追求し続けるレコード&オーディオ業界。近年ソフトの分野では、〈SHM-CD〉〈HQCD〉〈Blu-specCD〉など通常のプレーヤーでも再生できるCDが注目を集めてきたが、2015年にメモリーテックは新高音質CD〈UHQCD〉(Ultimate High Quality CD)を発表。その技術が今年から、日本コロムビアの名盤に採用されている。

 この〈Ultimate=究極〉な新CDは、高価格な〈クリスタルCD〉の技術を通常CDに応用することに成功。従来の高音質CDは通常CDの原材料を高品質にアップデートして音質を向上させてきたが、〈UHQCD〉は製造方法そのものを転換した。具体的には、従来のCDが透明度と流動性の高いポリカーボネート(プラスチックの一種)を基盤に用いてデータをピット(ミゾ)に記録していたのに対し、〈UHQCD〉はフォトポリマーを基盤に採用し、スタンパーのピットを転写。フォトポリマーは通常状態では液体だが、そこに特定の波長の光をあてると固まる。この特性を利用し、ポリカーボネートでは困難だった細かいピットの完璧な転写を実現したのが〈UHQCD〉という訳だ。

 日本コロムビアは、今年1&2月に各10タイトルの〈UHQCD DENONクラシック・ベスト〉を発表、5&6月に各10タイトルを第2期として発売、それに続く第3期として各10タイトルずつ、11&12月にリリースされる。

 管弦楽のラインナップは、ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナーやR.シュトラウス、ノイマン&チェコ・フィルのスメタナ《わが祖国》、スウィトナー&ベルリン・シュターツカペレのシューベルト交響曲第5番&《未完成》など、いずれも往年の名盤。協奏曲や室内楽も、メイエ(cl)、スーク&寺神戸亮(vn)、ナヴァラ(vc)、スメタナ四重奏団と、多彩かつ充実した名演が並ぶ。

 〈ハイレゾのようなスピード感のある中高域と、クリアで立体感のある音像〉とは、日本コロムビア・スタジオ技術部エグゼクティブ・エンジニアの斉藤徹氏による〈UHQCD〉の説明だが、実際に視聴してみると、その言葉の確かさに驚かされる。

 例えば、前述のノイマン&チェコ・フィルによるスメタナ《わが祖国》の第2曲〈モルダウ〉の冒頭のフルートの音型。通常CDに比べると、透明度とふくよかさが格段に増し、作曲者ならではの細やかで入念なスコアリングがよくわかる。あるいは、ブロムシュテット&SKDが奏でるブルックナーの交響曲第4&7番の荘厳な最終楽章。こちらも通常CDに比べると、音の解像度が段違いで、弦楽器、管楽器、打楽器の重なりが、細部まで精妙かつ鮮やかに聴きとれることだろう。

 なお、昨年12月には、第1期の全20タイトルの抜粋をUHQCDと通常CDで聴き比べられるサンプラーもリリース。音質の違いがはっきりとわかるので、これを参考に今回の第3期の購入CDを選ぶのもおすすめだ。

 


11月22日発売

 


12月20日発売