そのレパートリーの広さと音楽性から愛されるイディル・ビレット待望のアーカイヴBOX、ブラームスの登場だ。3つのソナタや晩年の小品集を残すピアニストならごまんといるが、初期のエチュード、ワルツ集、小品などマイナーワークスまで網羅しているのはビレットだからこそ。極め付けは伝説的なビレット編曲の交響曲第3番、第4番である。その他協奏曲、室内楽も収められブラームスを味わうには打ってつけ!……なのだが、それ以上に16枚に及ぶ盤を一人のピアニストが築きあげたのかと思うと歴史の重さにただただ敬服するばかり。