多くのミュージシャンが政治や社会ほか様々な問題に関心をもつのはよき事であると思うし、問題提議する事は音楽の役割のひとつでもあるとは思うが……いまや父を超える世界屈指のプロテスト・ミュージシャンであり、子をもつ親であり、拠点をフランスに置くフェミだからこそ、悲観主義的と言えなくもない現状に一抹の不安を覚えたのかもしれない。“若い世代の子達に希望のメッセージを込めた”という本作は前作のようなハードなアフロ・ビートではなく、ハイライフ、カリビアン、ソウル等を織り混ぜ、華やかなホーンとメロディアスな歌メロを持ち味にしたフェミらしいアフロ・ポップとなっている。