THE ROOTS Things Fall Apart MCA(1999)

ネオ・フィリーの開幕作にしてソウルクエリアンズの出発点となった記念碑的作品。チヌア・アチェベの小説から引用した表題を含む硬派なメッセージは『Black Messiah』に近いが、前作に歌で参加したDが鍵盤を弾く“The Spark”など、グリッティーな音の感触はまさに『Voodoo』前夜だ。 *林

 

 

MUSIQ SOULCHILD Aijuswanaseing Def Soul(2000)

『Voodoo』の商業的な成功を受けて、方々から〈ネオ・ソウル〉感を湛えた新人が続いた頃。後によりオーセンティックな本質を愛されることとなるこのフィリー男も、ポイザーやピノと共にDを追随した。この路線を監督した当時のデフ・ソウル代表ケヴィン・ライルズは、現在Dのマネージャーを務めている! *出嶌

 

 

FEMI KUTI Fight To Win MCA(2001)

『Voodoo』以降のDを語るのに欠かせないのは、フェラ・クティ・トリビュート盤『Red Hot + Riot』への参加をピークとする、アフリカとその音楽への好奇心だろう。そこでDと共演することにもなるフェミは、自身のこの世界リリース作にコモンモス・デフらを招き、時代の先端で躍動してみせた。 *出嶌

 

 

REMY SHAND The Way I Feel Motown(2003)

Dと袂を分かってからはモータウンの代表に就任し、インディア・アリーらを輩出して独自のネオ・ソウル帝国を築いたキダー・マッセンバーグ。なかでもマーヴィンカーティスをD経由で想起させるこのカナダの才人はズバ抜けた創造性を誇っていた。この初作から12年音沙汰はなく……あと2~3年の辛抱? *出嶌

 

 

J DILLA The Shining BBE(2006)

ソウルクエリアンズが総動員された『Voodoo』において、クレジット以上に大きな役割を果たしたことも明らかになっているディラ。その逝去後に出た遺作となるここでDは、コモンと共に“So Far To Go”をパフォーム。後に『Finding Forever』にも再収録される、唯一無二の顔合わせによる最後のコラボだ。 *出嶌

 

 

RAHEEM DEVAUGHN The Love & War Masterpeace Jive(2010)

ある種の生音へのこだわりや折衷~越境志向を持つアーバン男性は、ドゥウェレからトニー・ハッスルジェシー・ボイキンス3世に至るまで多くがDの影響下にあるが、“Lady”ならぬ“Woman”の大ヒットで知られる彼もその一人だ。特にこれは『Black Messiah』に先駆けた意識の高い重要作! *出嶌 

 

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