RIRI
まだ高校生、なれど世界に照準を当てる逸材が満を持してのメジャー・デビュー!

 文字通りの鳴り物入りと言っていいでしょう。99年生まれで18歳のシンガー、RIRI。とはいえ夢に向かって早くから活動してきた彼女は、11歳の時にデヴィッド・フォスター主催のオーディションでファイナリストに選出されたという経歴の持ち主であります。その後AIに見い出され、彼女のライヴに出演した2016年には初のEP『I love to sing』をリリース。翌年にセカンドEP『RUSH』を発表する頃には、その実力は広く知れ渡りつつあったそうです。そんなわけでこのたび満を持してのメジャー入り。関係者や識者の賞賛は毎度のパターンではありますが、その歌唱を聴けばズバ抜けた魅力と実力の程は明らかなはず。メジャー・デビュー作にして初のフル・アルバムとなる『RIRI』は、EPからピックした5曲に加え、デイモン・シャープらUS勢との仕事を含む4つの新曲、さらにはSeihoがリミックスを施した“RUSH”のリテイクという構成の全10曲入りとなっています。

RIRI RIRI ソニー(2018)

 90年代のR&Bっぽさを湛えたメロディーメイクとモダンなシンセの音像が……とか以前に、主役の歌声に宿る繊細な濃厚さ、往時のアシャンティや初期のアリアナ・グランデを即座に思わせる瑞々しさがとにかくたまりません。歌の形に気持ち良くノドが開いたような歌いっぷりに聴いてるほうも気持ち良くなる感じで、なかでも“That's My Baby”と“Crush on You”は最高。ここから必ずや数段上に駆け上がる、晩成じゃない大器の名品です!