2013年、2015年から続くパリをモチーフとしたピアノ作品シリーズ〈Images de Paris〉の第三弾が堂々の完成。過去二作に続きドビュッシーやタイユフェールがプログラムを構成する一方、目を引くのは同じく6人組のデュレやオーリック、そしてストラヴィンスキー。ケークウォークからラグタイムやタンゴが続くかと思えば、ショパンと以後のフランス作曲家によって書かれたノクターンを対比させるなど、第三作にもなるとパリという視点がかなり多様化しているのが感じられる。フランス近代ピアノにおいて国内最高峰の名高い椎野伸一による演奏はフランス好きの諸兄を唸らさせる逸品だ。