60年代USモダン・フォークの女王が10年ぶりとなるニュー・アルバムをリリースした。〈いつまでも凛々しくたおやかであってほしい〉というこちらの願いに応えるように、昔と変わらない歌声を聴かせる彼女。トム・ウェイツやアノーニ曲のカヴァーでの静かな迫力に触れると、思わず居住まいを正してしまう。プロデューサーは名匠ジョー・ヘンリー。イマジナティヴなアメリカーナ・サウンドが素晴らしい。
ボブ・ディランとの共演でも知られるプロテスト・フォークの女王10年ぶり最新作はアメリカーナ傑作請負人ジョー・ヘンリープロデュース。ジョーンお気に入りの作曲家達の曲を取り上げ、トム・ウェイツやアントニー&ザ・ジョンソンズ、そしてジョー・ヘンリーなどの楽曲が並ぶ。ジョーのシンプルな味付けはあくまで彼女の歌を引き立てる絶妙なもの。それは各地を回りずっと現役で歌い、信条もブレることなく活動してきた彼女の人生がその歌声に表れており、80歳目前にして尚力強い(そして美しい)のだから当然のことだろう。そして彼女はまだまだこれからも穏やかに力強く歌い続けていくのだ。