インタビュー

AKIHIDE 『機械仕掛けの遊園地 -Electric Wonderland-』 棄てられた遊園地を舞台に、絵本と音楽で紡ぐ物語

AKIHIDE 『機械仕掛けの遊園地 -Electric Wonderland-』 棄てられた遊園地を舞台に、絵本と音楽で紡ぐ物語

BREAKERZのギタリストAKIHIDEが、ギター、唄、そしてストーリーや作画を自ら手がけた120Pに及ぶ絵本で紡いだ6thソロアルバムが完成! 希有な才能を惜しみなく注ぎ込んだ、多面的な魅力を放つ、〈ジャンル=AKIHIDE〉とも言うべきオリジナリティー溢れる大作が誕生した。

AKIHIDE 機械仕掛けの遊園地 -Electric Wonderland- ZAIN RECORDS(2018)

 ――音楽と絵本というスタイルの作品になった経緯は?

「僕は根本的にコンセプトやテーマを決めて作品を作っていくんですけど、次作をどうしようか考えていた時に色んなコンセプトやテーマが湧いてきてしまって、正直どういう風にまとめようか悩んでいたんです。ちょうどそんな時、Acid Black Cherryのyasuさんが他のクリエイターが作った作品を歌う『Acid BLOOD Cherry』というスピンオフ企画アルバムを制作されて、その中の“KEDAMONO”という曲の作詞で僕も参加させて頂きました。yasuさんとやりとりしていく中で、作詞する事の難しさと、それにも勝る面白さを教えてもらって、久々に〈歌詞を書きたい!〉という衝動に駆られてしまって。それと同時にコンセプトがどうとか頭でっかちにならず、自然と湧いてくるものを1つにまとめればいいんじゃないかと思うようになったんです。そこから文字や言葉にする事がすごく楽しくなってきて、その流れで本も書いてみようかなと。それで実際ストーリーを書いていくと、不思議な事にそれぞれ別々のコンセプトで作り溜めていた曲のベクトルが繋がりだして、今回のアルバム制作が本格的に始まりました」

――絵本のストーリーは、何かモチーフになっているんですか?

「約2年前の〈AKIHIDE MUSIC THEATER 想い出プラネタリウム〉というライヴをやった時に“プラネタリウム”と“Wonderland”を作って披露したんですけど、後々〈Wonderland〉=〈不思議の国〉という言葉から何故か〈遊園地の情景〉が浮かんできて、気づいたら〈樹の遊園地〉へと想像が膨らんでいき、そこからはもうどんどんストーリーが湧いていきました。元々村上春樹さんが好きで今作を制作中も読み漁っていたんですけど、現実とは違う世界へ行きたいという思いから村上作品を読む事が多いんですね。それと共通する、〈非日常を感じてほしい〉という思いを今作にも込めています」

――AKIHIDEさんにとって遊園地は、非日常を象徴する場所なのでしょうか?

「はい。そこに行く事で日々の色んな事が一度リセットされ、現実をより強く踏み出せる場所というイメージです。そもそも今作は気の赴くまま自由に作っていった曲や物語が自然と1つにまとまっていって、僕なりの遊園地が完成したわけです。皆さんにも気軽に色々な方面から今作を楽しんで頂き、皆さんにとってそれぞれの遊園地になって欲しいと思っています」

――バラエティ豊かなサウンドが楽しめる、音的にも遊園地のような作品になっていますね。ギタープレイで印象深い曲はありますか?

「“Ghost”、“プラネタリウム”、“夕凪のパレード”等は、歌のフェイクが入りそうなエンディングの盛り上がる部分をギターで歌い上げていたり、全体的にギターソロも普通より長いですし、これまでジャズ系ミュージシャンとも色々セッションさせてもらったおかげで、インプロビゼーション的な要素と歌のテーマがある楽器と音楽が生み出すマジックみたいなものを感じられる独特な作品に仕上がったと思います。各ミュージシャンのプレイも素晴らしいので、楽器の音にもじっくり耳を傾けて頂きたいです」

――12曲中7曲がボーカル入りですね。

「ギタリストである僕が歌いやすい響きを選んだり、無理のないキーに設定したり、最もいい形で歌が聴かせられる曲作りを目指しました。“My Little Clock”は、誰もが癒される天上の声を持った〈時計姫〉というキャラクターが絵本に登場するのですが、そのイメージ通り、〈奇跡の歌声〉と称される女性シンガーの蓮花さんがとても素敵に歌ってくださいました」

――4月から絵本の世界観に沿ったサブストーリー的ショートストーリーが(tower+誌に)連載されていますね。

「絵本は棄てられた後の遊園地が舞台になっていますが、連載ではまだ稼働している頃の遊園地がどんなものだったかを描いています。絵本を読んだ方は別の視点で楽しめる内容になっていますし、読んでない方でもショートショートみたいな感じで読みやすいと思うので、気楽な気持ちで目を通して頂けたらと思います」

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