「生きているかぎりは歌いながら行こうよ。道はそうすれば、それだけで退屈でなくなる」——古代ローマの詩人、ウェルギリウスの名言。
私は、どこにでもいる普通の高校1年生。ただ、周りの子たちよりか幾分か〈言葉〉が好きな子。文を書くことが好き。と言っても、少しナルシシズムな文を書いてしまいがち。私が文を書きはじめたのはいつだっただろう。一人っ子で動くことが嫌いでなんなら家に閉じこもっていたい。学校では友達が外で楽しそうに遊んでいるのを眺めながら気付けば鉛筆を握って短い物語を書いていた。物語はどんどん膨らみ、やがて小説になっていった。両親に買ってもらった原稿用紙に小説を書きはじめた。
あの時恥ずかしくて誰にも読んでもらうことができなかった言葉は、その後ブログをきっかけにたくさんの方に読んでいただけるようになった。ファンの方とコミュニケーションを取れる場では〈ブログを読んで好きになりました〉と言ってもらえることもあった。嬉しかった。言葉が自分だけのものでなくなっていた。ブログでは時折偉人と言われる方の言葉を載せていた。今回、連載のタイトルを決める際に、その中でも好きだったこの言葉を選んだ。
……随分と長くなりましたが改めまして自己紹介をさせて頂きます。皆さん、はじめまして。原田珠々華です。高校1年生の16歳。ギターを持って歌を歌っています。今月からbounceで連載を書かせて頂くことになりました。まさか自分がと驚きましたが、等身大の言葉でありのままに書いていきたいと思います。皆さんの毎月のちょっとした楽しみのひとつになりたいです。この連載では、大好きな音楽の中で私が特に影響されたものを、私目線で私なりにご紹介していければと思っています。
さてさて、今回紹介させていただく曲は、星野源さんの“ギャグ”です。私は星野源さんの大ファンで、とても尊敬しています。この“ギャグ”という曲は、物語を書いていた幼少期の私の気持ちをまるで言葉にしたようで、初めて聴いた時にとても勇気や元気をもらいました。そしてあの頃が愛おしく思えるようになりました。星野源さんの曲はどれも歌詞が素敵なのですが、私がこの曲でいちばん気に入っている歌詞は〈ギャグの隙間に 本当の事を 祈るみたいに隠して〉です。私の人生の物語のテーマソングのような曲でずっと大好きな曲なので、今回選ばせていただきました。これからどうぞよろしくお願い致します。
原田珠々華(はらだすずか)
2002年生まれ、神奈川出身の16歳。アイドルネッサンスの一員として活躍後、シンガー・ソングライターもアイドルも網羅するスタイルをめざし、ソロ活動を開始。8月3日には〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉で初めてのソロ・ステージで出演する。
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