水飛沫を浴びて光る眩しい笑顔に、波打つ予感が止まらない!

 ジャケだけでこれはもう夏が来たという感じなのではないか。(写真左から)鹿沼亜美、田辺奈菜美、傳彩夏から成る3人組ガールズ・グループのONEPIXCELが、このたび待望のメジャー・セカンド・シングル“Sparkle”を完成させた。

ONEPIXCEL Sparkle コロムビア(2018)

 2015年9月の結成から紆余曲折を経た3人は、クォリティーの高いパフォーマンスが評価され、今年3月にシングル“LAGRIMA”でメジャー・デビューしたばかり。同曲はTVアニメ「ドラゴンボール超」のエンディング曲に抜擢されたこともあり、MVがYouTubeで200万回以上の再生数を突破するなど広く話題となった。一方ではMOP of HEADのGeorgeやTREKKIE TRAXのMasayoshi Iimoriをリミキサーに起用する試みでクラブ・ミュージックのリスナーにもリーチしたのも記憶に新しいだろう。それからおよそ5か月を経て登場したニュー・シングル“Sparkle”は、周囲の期待や気運と彼女たちの成長がうまくマッチし、さらなる勢いに乗るための強力な一枚に仕上がっている。

 まず、表題曲の“Sparkle”はこの季節を狙い撃ちした直球のサマー・チューン……というわけでもなく、いままでにないクラップ&スウィング調のヴァース部分を備えた挑発的なナンバー。そこからストレートなフックに向かって突き抜けていく展開もおもしろいが、全員が10代という実際の彼女たちの瑞々しいリアリティーも投影しながら、高鳴る気持ちを少し大胆に後押しする姿はキャッチーで眩しいばかりだ。それに対してカップリングの“We Go Now”は逆に聴き手の背中を穏やかに押すようなポジティヴなナンバー。こちらはリリカルなメッセージを引き立てるようにごくシンプルなビートで構築されており、そのぶんフックはシンガロングを誘う明快な構成になっている。これもまたいままでにないタイプの楽曲と言えるだろう。

 それに加えて今回も過去曲のリミックスを2ヴァージョン用意されている。インディー時代の“monochrome”は説明不要のDE DE MOUSEが彼らしいドリーミーなシンセウェイヴに改編。さらに前シングル“LAGRIMA”をUKガラージ風のベース・トラックにしたのは、三浦大知との仕事でも名を上げたTREKKIE TRAXのCarpainterだ。いずれも手加減ナシの作りで、本編とは違う意味での強力なサウンドになっているのが頼もしい。このように充実した一枚を引っ提げて3人がどこへ向かうのか、今後の動きにも引き続き注目していよう。