ジョージ・デュークのMPS盤を彷彿とさせるミクスチュア具合、と説明したら「ちょっと何言っているのかわかんない」と拒否られるのだろうか。ギターの音色感もあの頃の色、ヴォーカリーズもあの頃のままではないか、とは言うもののネオ・ソウルなテンションいっぱいのトラックもあるし。アクセル・トスカたちのプロジェクト、(U)NITYに漂うソフトマシーンのようなプログレ感もある。サックス奏者、ヴォーカリストのHailey Niswangerの作品の、時間軸が壊れてしまったかのようなタイムトリップ感に揺られて、現在に上書きされた音楽史の過去を覗き見る。数十年間の音楽の近景を。