インタビュー

Neetz『FIGURE CHORD』 KANDYTOWNのクールな才人が語る、自身のビートとメッセージにこだわった渾身のソロ・アルバム

Neetz『FIGURE CHORD』 KANDYTOWNのクールな才人が語る、自身のビートとメッセージにこだわった渾身のソロ・アルバム

またもKANDYTOWNからのクールな一撃! 敏腕ビートメイカーが送る待望のソロ・アルバムは、自身のラップにもこだわって新たな角度から構築された渾身の一枚だ!

 メンバーそれぞれのソロ活動も目覚ましいKANDYTOWNから、ビートメイカーのNeetzが待望のファースト・ソロ・アルバム『Figure Chord』をリリースした。これまでに発表されているKANDYTOWNのメンバーのビートのほとんどは、呂布、MIKI、そしてこのNeetzが手掛けたもの。彼のビートは主にサンプリングのフレイヴァーや安定感のあるベースラインが特徴だが、本作ではいつも以上に雄弁な姿が確認できる。

 「各メンバーのソロ活動に刺激を受けて、自分でも絶対にソロ作を出したいと思っていました。一昨年の12月くらいから制作を始めて、まるっと1年くらいかけて完成させました」。

Neetz Figure Chord KANDYTOWN LIFE/CONNECTONE(2019)

 彼がソロの制作に励んでいた2018年は、MIKIやKIKUMARU、Gottzら、クルーのメンバーのソロ作も特に豊富な一年だった。「なかでも特に、KANDYTOWNとはまったく違うスタイルで作っていたGottzの姿勢に影響を受けた」ということで、今作は新たなNeetz像を印象付ける仕上がりだ。特に目立つのは、彼本人もしっかりとラップを披露している点。

 「ビートだけ作ってゲスト・アーティストに参加してもらうやり方もあったと思う。だけど自分のアルバムとなったら自分の声を入れたいと思っていて。いままでラップも自分なりにやっていたんで音だけじゃ表現しきれない部分をラップでカバーしていったという感じです」。

 本人の言葉通り、ゲストを招かず自身のラップのみで作り上げた“Awakening”では〈自分自身がロールモデル〉とラップし、収録曲の中でもひときわNeetz個人のメッセージを感じさせる一曲に仕上がっている。

 「最後のほうに作ったんですけど、自分のソロだからできる曲って感じですよね。KANDYTOWNの時は街の情景的なラップが多いから、ソロ作にはメッセージ的な曲を入れたかった。だから、この曲を仕上げるのにいちばん時間がかかりました」。

 そんな『Figure Chord』の中でも先立って話題になっていたのはMVも公開された“notion”だろう。同曲にはKANDYTOWNからMUD、新鋭MCの中では圧倒的な人気を誇る唾奇、そしてPESが参加。南国のようなヴァイブスを醸し出すビートは「セブ島に、MacBookとMIDIの鍵盤を持って行って作った」ものだそうで、現地のムードに強くインスパイアされたことがわかる。

 「夏っぽいビートだから、RIP SLYMEが合うんじゃないかなと思って、PESさんにお願いしたんです。そうしたら、とてもフランクにやってくれたんですよ。〈フックをお願いしたい〉と指定して、一緒にスタジオに入って仕上げてもらいました。PESさんにどう言えばいいか全然わかんなくて、緊張したっすね」。

 その“Notion”を筆頭に、アルバムにはKANDYTOWNのメンバーに加え、KOJOEやC.O.S.A.、Kiano Jonesといった実力派のMCらも多く参加。それぞれの構成などはすべてNeetzが考えたといい、ビートメイカーとしてだけでなく、プロデューサーやディレクターとしての技量が問われる作品になったと言える。本人もいつもとは違う環境で制作にあたった様子だ。

 「ビートメイカーはビートを作って(アーティストに)投げるっていうパターンが多いんじゃないかと思うんです。自分もKANDYTOWNの中ではそっち側だった。ビートをメンバーに投げて、そこからはラップを勝手に乗せて……という。今回はそれとは別の視点が必要だったし、プロデュース力が必要になってきたなと思います。それを含めて制作は楽しかったし、得ることは多かったと思います」。

 確かに、Neetzがこれまでに手掛けてきたKANDYTOWNの初期の楽曲と聴き比べれば、今作の収録曲のほうがより洗練されていて、ビートの幅もより広く表現されていることがわかる。

 「今回の制作を経験してビートメイクの技術も上がってきてると思うので、手応えはあります。これまで、KANDYTOWNの時は、ウワネタをサンプリングしてループしてドラムを付け足す、みたいなフレーズ・サンプリングが多かったので、意識的にそこを減らして、自分で音を組み立てていこうと意識していました。それは一つのテーマでしたね」。

 そう説明する通り、“Notion”のようなアッパーなビートもあれば、KIKUMARUとの相性も抜群のスリリングな“The Routine”、KANDYTOWNの前進クルーであるBANKROLLが参加し、キーボードのフレーズが美麗な“Still Livin'”など、バランスを保ちつつも器用にさまざまな世界を創り出すことのできる彼のスキルが光る。「KANDYTOWNの作品とのバランス感も意識しつつ、すごくこだわって作りました」と断言してくれたNeetz。クルーの作品とは一味違う、より鮮やかな世界観を味わってほしい。

 

Neetzがプロデュース参加した作品を一部紹介。

 

『Figure Chord』に参加したアーティストの関連作を一部紹介。

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