既にリリース済の第1、3番に続き、昨年9月の聖フローリアン修道院でのライヴが一挙に3曲(第2、8、9番)登場。ミュンヘン・フィル自主制作録音盤として、録音も含め今、最もホットなブルックナーが聴ける。ここでは第2番を取り上げるが、長い残響も味方し、オケの精緻な演奏をまとめ上げるゲルギエフの手腕が見事。推進力と抑揚のバランスの良さは特筆すべきで、芳醇な音色の中でパターン化しない表現は一聴に値する。本来美しい第2番が更に深化。混濁しない余韻は録音とマスタリングの優秀さを物語っている。第9番の振幅の大きい、深い表現も必聴