これぞ「ロシアの音」! ゲルギエフと、彼が信頼を寄せるピアニスト、マツーエフとの豪壮に繰り広げられる3曲のロシアのピアノ協奏曲。難技巧も完璧、力強い打鍵でグイグイと推進力のある演奏を繰り広げるマツーエフ。傑作第2番&第3番に隠れがちな第1番は、ラフマニノフがモスクワ音楽院に通っていたころに作曲されたもの。胸が締め付けられるような哀愁漂う美しいメロディ。硬質な音色で鳴らし、激しく圧倒的な迫力で歌う。その豪腕から放たれるストラヴィンスキー、そして作曲家自身がリハーサルから立ち会ったというシチェドリンの《ピアノ協奏曲第2番》も説得力のあり、名演にふさわしい。 

※試聴はこちら

デニス・マツーエフとワレリー・ゲルギエフ、ベルリン・フィルによるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番