公演の満足度98%! 〈誰かにオススメしたい〉クラシック音楽祭
15年目を迎え、今年は仙台フィルが初参加!

 同じコンサートホールでおよそ半月という短い期間に、全国各地のプロオケを聴き比べ出来る稀有な音楽祭――それがフェスタサマーミューザ KAWASAKIだ。多くの音楽ファンが集う夏の風物詩として広く定着。15周年を迎えた今年は東北の雄、仙台フィルがレジデント・コンダクターである高関健の指揮により8月4日(日)に初参加することでも話題になっている。

 目玉公演は他にも山ほど! オープニングとなる7月27日(土)は東響と音楽監督ジョナサン・ノットのコンビで、あの懐かしの「サンダーバード」の音楽、リゲティ晩年の傑作ながらなかなか実演にお目にかかれないピアノ協奏曲、そして最後は若きベートーヴェンによる意欲作の交響曲第1番……という、とんでもないプログラムが鎮座。在京オケのなかでも屈指の絶好調コンビであるだけに絶対に聴き逃がせない内容だ。28日(日)には個性的な解釈による演奏で注目を集める新日本フィルと音楽監督上岡敏之によるコンビで、プロコフィエフの名曲“ロメオとジュリエット”からのセレクション。そしてミューザ川崎のホールアドバイザーも務める小川典子をソリストに迎えてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番も! 29日(月)は都響と首席客演指揮者アラン・ギルバートとのコンビで、吹奏楽でも人気の“ローマの松”を中心とするイタリア・プログラム。30日(火)の神奈川フィルでは常任指揮者の川瀬賢太郎が指揮し、日本を代表するギタリスト渡辺香津美がエレクトリック・ギターを駆使して名曲中の名曲“アランフェス協奏曲”を披露。31日(水)には70代に入り、一層深い音楽を聴かせてくれている井上道義の指揮で読売日響がブルックナーの交響曲第8番による80分一本勝負に挑む!

 8月に入ると、まずは2日(金)に世界各国の若手のホープが集まって結成された世界最強のユースオケであるPMFオーケストラが巨匠ワレリー・ゲルギエフと共に川崎に降臨。3日(土)には注目の若手指揮者原田慶太楼とのコンビによるN響が登場――ただし、いま人気絶頂のピアニスト反田恭平を独奏に迎えたため、既に完売! 6日(火)の東京シティ・フィルは首席客演指揮者の藤岡幸夫と共に参戦。マルチな才能で世界中の同業者からも尊敬を集めるチェリストで作曲家のジョヴァンニ・ソッリマの独奏で、ドヴォルザークの名作協奏曲を。そしてプロコフィエフから大きな影響を受けて書かれた芥川也寸志(龍之介の三男)作曲の交響曲第1番を取り上げる。7日(水)に登場する日本フィルは炎のコバケンこと桂冠名誉指揮者の小林研一郎と共にクララ・ハスキル国際コンクールで優勝したことで一躍注目された天才、藤田真央によるチャイコフスキーと、ベートーヴェンの人気曲、交響曲第7番で盛り上げる。11日(日・祝)の東京フィルが桂冠指揮者ダン・エッティンガーと共に取り上げるのはチャイコフスキーの傑作“悲愴交響曲”。フィナーレとなる12日(月・振休)には東響が再登場。病気による活動休止明けの尾高忠明が、浜松国際ピアノコンクールで優勝したばかりの俊英ジャン・チャクムルを独奏にシューマンのピアノ協奏曲を聴かせ、最後にショスタコーヴィチの人気作・交響曲第5番でこの音楽祭を締めくくる。