2017年に発売されたチャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番は、オルガ・シェプスの存在を一層知らしめた演奏であった。新作『メロディ』は2015年『ヴォカリーズ』以来のピアノ小品集。本アルバムの特徴はクラシック音楽と現代音楽の融合であろう。バッハ、ショパンの作品に加え、現代作曲家の音楽が聴けるのが醍醐味。中でも彼女に捧げられたゴンザレスによる“オルガ・ジーグ”は力強く情熱的な演奏。聴き手を圧倒させる大作だ。エイナウディの “UNA MATTINA”は甘美な響きがたまらない。まさにピアノの宝庫。この1枚は、ジャンルを跨いで多くの音楽好きに聴いて欲しい。