2010年のエコー賞において、アリス=紗良・オットと共に“今年の新人”部門を受賞したロシアのピアニスト、オルガ・シェプス。デビュー盤であるショパンのソロ作品集(2009年)と、ピアノ協奏曲集(2013年)の2作が、今回新たに国内盤2枚組として発売された。ドイツの大御所評論家に「こんなショパンは聴いたことがない」と言わしめただけあり、アゴーギクと弱音の表現の部分において個性が際立っている。特に2つの協奏曲の緩徐楽章が絶品で、時の流れを忘れてしまうほど。ちなみに第1番は19世紀の作曲家R.ホフマンによる弦楽合奏伴奏版で、管楽器パートも弦に組み込まれているのが特徴。