インタビュー

DJ FUKU『スタメン』 ヒップホップとレゲエを跨ぐ西の凄腕が、SHINGO★西成や般若らスタメン揃いの初作を語る

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ZORN
さまざまな『LOVE』の形を描いたニュー・アルバムはまたしても傑作だ!

 今回の『スタメン』では昭和3MC揃い踏みの“ありがとう”(2015年)に加え、単独で“メロス”を新録してもいるZORN(FUKUは彼の『サードチルドレン』にもトラックを提供していた)。般若×SHINGO★西成との『MAX』を発表した昨年は、タッグ曲も投下したAKLOとのツーマンでツアーを敢行して大いに飛躍し、DJ TATSUKIとの縁からAIR WAVE作品にも参加していたが、このたびは『スタメン』と同タイミングで、待望久しい2年ぶりのソロ・アルバム『LOVE』を投下してきた。

​ZORN LOVE 昭和レコード(2019)

 近年の『生活日和』~『柴又日記』に連なるライフサイズの目線を下地にしているのは変わらないが、今回はそうした眼差しの合間で消せない渇望や欲望など、ささやかな幸せを脅かしかねない要素が妄想も込みで率直に綴られ、人の中に潜む多面性の表現へと昇華されているように思えるのがおもしろい。ストリングスのイントロに続く“Love Yourself”からいきなりクライマックスのような言葉が凄まじく、感情の昂りに並走して変化するYakkle製のビートも最高だ。それに続く“I Wanna Be A Rap Star”はgrooveman Spotのハードなビートに乗せて尖りまくった序盤のハイライトだろう。UAの妖しい歌唱が響く“246”やBACHLOGICによる少し物悲しい“All My Homies”などで脳内と現実を往来しながら……そして、最後の“My Love”では穏やかなDJ OKAWARIのループに乗せてひとつの結論に到達する。これはまたしても傑作! *轟ひろみ

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