生まれも育ちもブラジル北東部、現在はサンパウロを拠点とするSSWサウロ・ドゥアルチの初ソロ作。普段はA Unidadeというバンドで中南米の伝統からパンク、サーフロック等をミクスチャーしたジャンルレスなサウンドを展開しているサウロだが、このソロでは70年代を想わせるアナクロなバンド・サウンドにのせた正統派MPBを披露。正統派といってもリズムはやはり多彩で随所にエキセントリックなアプローチもみせる。わかりやすいメロディのよさも魅力だ。さらには奇才クルミンをドラマー&サンプラーとして起用するなどバランス感覚、センスともに頭ひとつ抜けた存在である。
サウロ・ドゥアルチ(Saulo Duarte)『Avante Delírio』70年代を思わせるアナクロなバンド・サウンドにのせた正統派MPB
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