今年惜しくも鬼籍に入られた内田裕也が生前に時代や媒体に制限を設けずに様々なメディアで語られた発言をまとめた語録集。巻頭には数々の貴重な写真、また巻末には小説家・中上健次、画家・岡本太郎らとの貴重な対談も特別に掲載されている。内田裕也は音楽家、プロデューサー、俳優、脚本家、政治家と多岐に渡って活動をされていたのでその全貌を把握するのは容易なことではない。この本はその意味で内田裕也入門としては非常に良い内容と思われる。全8章に繰り広げられる言葉の力にはひたすら圧倒されるが、その特異な家族のあり方への思いも綴られ非常に興味深い内容であった。