孤高の歌役者、竹田さんのひとりオペラの舞台の作品から、高橋悠治さんの手による3曲と“祖母のうた”の新録音。明晰な語りと歌に無駄な音を排した楽器が絡み、巧みな表現でそれぞれの世界を見事に表現。古典落語の「芝浜」を女声とピアノとストリングスのアンサンブルにする斬新さ。落語好きの方にもぜひお聴き頂きたい。“水仙月の四日”では宮沢賢治の独特の雪の中の情景が生き生きと浮かび、“めをとうし”はぞっとするような残酷な場面でありながら不思議なファンタジックな世界を描き、“祖母のうた”での深い哀しみは胸に迫る。凝縮した音作り、聴き応えのある一枚です。