ストロークスのジュリアン・カサブランカスが主宰するカルトからのリリースだからといって、そういうバンドを期待したらダメだ。硬派なパンク・ファンにはすっかりお馴染みのNYに住むセレブラル・ボールジーは、かつていっしょにツアーしたヴィヴィアン・ガールズを泣かせたという武勇伝(!?)を持つ5人組。80年代のUSハードコアを現代に継承する彼らを、ジュリアンが絶賛しているなんて少々意外だが、なるほど、3年ぶり2枚目となる本作では激しさのなかに不気味な空虚さが感じられ、ニヒルな表現もモノにしているではないか。言われてみると、斜に構えた佇まいはどこかストロークスに通じるかも……前言撤回。彼らのファンにも薦めてみたい。全12曲26分の刹那が痛快すぎる。