COLUMN

タリスク『beyond』 スコットランド発、新世代トラッドを牽引するトリオの躍動感に溢れた演奏

タリスク『beyond』 スコットランド発、新世代トラッドを牽引するトリオの躍動感に溢れた演奏

国境を越えた新世代トラッド・シーンを牽引するタリスクが来日!

 タリスクは、2014年にスコットランドのグラスゴーで結成された若き3人組。多様な才能が台頭しつつある近年のトラッド・シーンでも、最も注目を集める新世代バンドの1つだ。メンバーはコンサーティーナ(小型の手風琴)のモーセン・アミニ、ギターのグレム・アームストロング、フィドルで紅一点のヘイリー・キーナン。ギターが鋭いリズムを刻み、その上で2つの楽器が組んず解れつ絡み合う。演奏スタイルそのものはベーシックだが、全編に漲る躍動感、風通しの良さが素晴らしい。2016年リリースのファースト・アルバム『Abyss』は、世界中のフォーク/トラッド系メディアで称賛を浴びた。

TALISK beyond PLANKTON(2019)

 本作『beyond』はそんな彼らの評価を決定づけた1枚(本国では2018年10月発売)。サポート (フィドル&ヴィオラ)として、指揮者としても活躍するグレッグ・ローソンが参加している。持ち味の疾走感はそのままに音像は厚みを増し、楽器間のアンサンブルもより重層的になった。オープニング曲《モントリオール》や表題曲《ビヨンド》を筆頭に、複雑なフレーズをこれでもかと畳みかけてくる展開には、どこかロック的な高揚感も。その意味で同じスコットランドのラウーを連想する人も多いかもしれない。その核となるのが、モーセン奏でる蛇腹の緩急自在なサウンドだ。たおやかに美しい旋律を紡いでいたかと思うと、一転、空間を塗りつぶすような奏法でエモーションを叩きつける。スリリングな即興のセンスや表現力の豊かさも含めて、その才能はまさに破格。今後の20年のシーンを牽引するであろう彼の演奏に触れるだけでも、本作に耳を傾ける意味はある。

 5曲目《フェアウェル》には、結成後3年間のツアーを通じて出会ったウィ・バンジョー・スリー、イースト・ポインターズなど、同世代の若きミュージシャンたちが多数コーラスとして参加。国境を越えて影響を与え合う新世代トラッド・シーンの胎動も感じさる。ヴィヴィッドな演奏を体感できる12月の初来日ライヴも楽しみだ。

 


LIVE INFORMATION

タリスク来日公演2019
○11/30(土)福井県音楽堂ハーモニーホールふくい「ケルティック・クリスマス」
○12/1(日)よこすか芸術劇場「ケルティック・クリスマス」
○12/2(月)CAY(青山)「ケルティック・クリスマス前夜祭~セッション・パーティ」
○12/3(火)代官山・晴れたら空に豆まいて
○12/4(水)名古屋・宗次ホール
○12/7(土)長野市芸術館メインホール「ケルティック・クリスマス」
○12/8(日)東京・すみだトリフォニーホール「ケルティック・クリスマス」
http://plankton.co.jp/

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