ブズーキのアラビアンな旋律の中、ざわざわと現れ消えていく人々の話し声。そして清々しく朗らなフルートが告げる幕開けではじまるのはかつてなくグローバルなシコ・ブアルキの名曲“As Caravanas”。サンパウロに住む移民や難民で構成されたバンドの2作目にあたる本作はブラジル音楽を核にメンバーのルーツである中国、コンゴ民主共和国、キューバ、フランス、パレスチナ、チュニジア等のメロディやリズムが入れ替わり立ち替わる世界有数の移民国家ブラジルを象徴した1枚となっている。各国の楽器が一斉に鳴らされる大合奏では、違いがあるからこそ生まれる、混沌を超えた祝祭的など迫力を体感できる。