第31回東京国際映画祭でグランプリと脚本賞をW受賞したフランス映画。正直に告白すると、何も知らずに映画のポスターや予告編だけを見た段階では、アマンダ(姪)と僕(叔父)の心の交流を描いたよくある映画(失礼!)だと思っていたのだが、これが全然違っていてビックリ。アマンダにとっての母であり僕にとっての姉が亡くなる原因となるパリの公園でテロのシーンの、あまりにあっさりとした一連の描写の凄み。喪失を抱えたアマンダと僕に寄り添う映画の人物に対する適切な距離感。監督ミカエル・アースの繊細かつ(実は)豪胆な演出力に痺れる。アースの前作「サマーフィーリング」も是非!