17世紀、インド洋に浮かぶレユニオン島でマダガスカルやアフリカ大陸から連れてこられた奴隷たちが生み出した音楽マロヤ。島民の心であり近年次々に発掘音源が発表されている、そんな中あの大家ダニエル・ワロの甥っ子ジャン・ディディエ・オアローの新バンドが動き出した。伝統曲を現代的に再構築。4人とは思えない重奏的リズム、コール&レスポンスが渦巻かす狂熱のグルーヴはグナワ同様ロック・リスナーも狂喜乱舞させる激トランシーなもの。なにより特筆なのは、ディディエの歌でありメロディでサトウキビ畑に深く根を下ろした権力への怒り、峡谷に響き渡る悲哀、そして先祖への感謝が確かに感じられる。