UK出身のネオ・ソウル・シンガーによる初作。活動自体は10年代前半からスタートしており、過去にはLAのソウレクションからのリリースも。現在はレーベルメイトのムーンチャイルドや新世代UKジャズ勢との接点もあり、そんな才人たちに囲まれた環境を反映してか、本作もクールな質感のネオ・ソウルが並んだ逸品になっている。また、ボッサで始まりブロークンなビートに移る“Tea & Sympathy”をはじめ、随所に小技の効いた構成とビート・オリエンテッドな感触があるのはプロデュースを務めたウー・ルーのセンスだろう。その上で力みなくたゆたうヴォーカルを披露して、ドリーミーな存在感を放つ主役との相性も素晴らしい。こっちのエラ・メイの名前も覚えておいたほうが良さそうです。