『New Gen』から名を広め、ルディメンタルやサンズ・オブ・ケメットらとコラボしてきた現行UKの最有望株がついにアルバムを完成! アフロ/カリブ系に馴染む歌心からグライムやポエトリーまでを行き交う柔軟なマイク捌きで結果を出してきたセンスは本作の振り幅にも直結する。プロデュースの核はスウィンドルが担い、ミックスはジョーカーが担当。リック・ロス風の野太いフロウでティアナ・メジャー9と絡む幕開けから、マセゴやレッチ32、エゴ・エラ・メイ、ケリスら客人も交えつつ、ブギーも浮遊ラブ・ビーツもレゲエもジャジー&メロウも滑らかに隣り合ってユルい“Gangsta”で締める内容は、00年代USモノなど本人が影響されたヒップホップの多彩さに捧げたようでもあって快くも美しい。これは余裕で年間ベスト級でしょう。