世界各国のミュージシャンの写真を取り続けてきた写真家・石田昌隆の30年間の記録。その時々の日付と写真、メモから構成される本書は30年に及ぶカメマンの旅の軌跡であるとともに、1989年のベルリンの壁崩壊以降に起こった音楽シーンの変化の記録でもある。ニック・ケイブ、ニナ・ハーゲンといったミュージシャン、そして「ベルリン天使の詩」のヴィム・ヴェンダース、「トランシルヴァニア」のトニー・ガトリフ、そして「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァといった映画監督たち。音楽と映画と国境が交錯する場所を見事に写真とテキストで描いた傑作です。