2007年スマートフォン登場と2008年北京オリンピック開催以降、ことに目覚ましい発展を遂げる中国のポップ・カルチャー。その中心を担う約4億人と目される「ミレニアル世代」と呼ばれる1980年頃から2000年初頭に生まれた若者たちに焦点を当てた一冊。ヒップホップ、アイドル、ファッションや映画やドラマを中心に、カルチャーの送り手と受け手双方への筆者のインタビューをもとにした構成が秀逸で、概論的な解説書では決して得られることのない中国カルチャーの実態や、何よりミレニアル世代の若者の生活や考え方といった「現場の声」を肌感覚で感じることができる良書。