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インタビュー

次なるステージへ進んだレルエがもたらす、新たな音を発見する喜び

レルエ『Eureka』

次なるステージへ進んだレルエがもたらす、新たな音を発見する喜び

煌びやかなシンセ・サウンドを纏ったダンサブルなバンド・アンサンブルと共に、3人はいよいよネクスト・ステージへ――そのドラマティックな歌世界は、新たな音を発見する喜びに満ちている!

今やりたいこと、できること

 強烈なシンセ・サウンドと叙情的なヴァイオリン、ダンス・ビートとハイトーン・ヴォイスを組み合わせ、EDMでもダンス・ロックでもない、映像的でドラマティックな世界観を作り上げる3ピース・バンド、レルエ。〈発見の喜び〉を意味する言葉をタイトルに据え、〈レルエとリスナーを繋ぐ作品にしたい〉という想いが込められたメジャーからのファーストEP『Eureka』には、アニメ版「モンスターストライク」の最終章「エンド・オブ・ザ・ワールド」の主題歌として書き下ろした“キミソラ”を含む5曲を収録し、進化しながら深化する彼らの現在が詰まっている。

レルエ Eureka ビクター(2020)

 「前作の『Alice』は“時鳴りの街”という曲が核になってたんですけど、今回は“キミソラ”も含め、キャラクターの強い曲たちが集まったので、どれか1曲を中心に作ったというよりは、今のレルエがやりたいこと、できることを詰め合わせた感覚です。今までのレルエを知ってくださってる皆さんのために〈これぞレルエ〉という感じも残しつつ、ちゃんと新しいステージに行ってるなと思ってもらえるような曲たちが揃ったと思います」(櫻井健太郎、ヴォーカル/ギター)。

 オープニングを飾るのは、シンセとピアノを軸としたスケールの大きさが魅力の“あふれる”。新たなステージに一歩足を踏み入れたバンドの状況ともリンクする。

 「“あふれる”は最初DJの曲をイメージして、数年前に流行ったEDM感をあえて今やりたいと思ったんです。トレンドに対するカウンターは意識してて、微妙にずらすことで、逆に新しい雰囲気が生まれるかなって」(櫻井)。

 「この曲のデモを聴いたときに、グランドキャニオンみたいな大自然の情景が浮かんだんです。なので、最初にヴァイオリンがちょこっと入ってるのは、その風景のなかを鳥が飛んでいくみたいなイメージ。私はデモから情景を浮かべて、それに合う音を入れていくことが多いですね」(saya、ヴァイオリン/シンセサイザー)。

 2曲目に置かれた“キミソラ”は、ソリッドなギターと4つ打ちを基調にしつつ、全編でヴァイオリンが用いられ、ドラマ性の高い楽曲に仕上がっている。アニメの世界観に寄り添いつつ、〈これぞレルエ〉な一曲だと言えよう。

 「アニメと寄り添うことに関してはすごくスムースで、その理由は、僕がとてもアニメが好きだから。なので、アニメを観てる人のことはあえて考えないようにして、主観的に作って、納得のいく作品にすることが正解だと思ったんです。そうすれば、おのずとレルエらしさが出るし、変にアニメに寄せちゃうこともない。そのうえで、歌詞に関してはアニメを意識して、〈大丈夫さ ほら仲間がいるよ〉とかは、アニメがあったからこそ出てきたフレーズですね」(櫻井)。

 「アニメの主題歌なので、〈バンド好きが聴く曲〉というよりは、もう少し一般の方も聴く曲だと思ったので、ヴァイオリンのメロディーはシンプルにしようと思って、ソロの部分も技を入れるというよりは、聴きやすさを意識しました。対照的だと思ったのが、前作に入ってた“プレイアデス”はダークな感じを出したくて、低い音を入れたりしたんですけど、今回はアニメが天界の話だったので、広がる感じを出すために、高音の部分を使っていて、どちらかというとオーケストラチックな感じですね」(saya)。

 「ベースに関しては、サビの後半で畳み掛けたり、ラスサビ前にヴァイオリンが降臨するんですけど(笑)、その裏で動いたり。弾く/弾かない、動く/動かないのメリハリを特に意識しました」(エンドウリョウ、ベース)。

 

そして次のフェイズへ

 中盤からは少し色味が変わり、“深海”では簡素な打ち込みを用いて、サイケデリックでありながらも、よりポップス的なアプローチを見せる。

 「サンプル音源をいろいろ買い漁ってたときに、イントロの部分に入ってる音を見つけて、〈これは深海だな〉 って、曲のイメージが見えたんです。で、どうせならドラムもサンプルで作っちゃおうと思って、レトロなドラムのサウンドパックを買って、サンプラー的な使い方をして。そうしたら、意外とポップな歌が乗ったっていう(笑)」(櫻井)。

 「自分たちが感覚的にかっこいいと思えることであれば、曲のフォーマットは特に意識してないです。これまでドラムはずっと生だったんですけど、“深海”を打ち込みだけで仕上げたのも、ただそのとき自分たちがかっこいいと思ったものを選択しただけ。リスナーの方はびっくりするかもしれないけど、やっぱり基準は自分たちなので」(saya)。

 4曲目の“pulse”の音数の少ないアプローチもレルエとしては新鮮。ギターのカッティングやファンク・ベース、〈街〉というワードの入った歌詞からは〈シティー・ポップ〉という言葉も連想されるが、最終的な着地点は異なっている。

 「最初はイントロのギター・リフから都会的な映像が浮かんだんです。ネオン街のムーディーな感じが浮かんで、そういう曲にしようと思ったんですけど……なぜか180度回転して、野外のイメージになりました(笑)。〈フジロック〉の深夜みたいな、お客さんパンパンってわけじゃないけど、みんなお酒を飲みながら楽しんでる感じ。音数を減らすにつれて、広がりが見えて、野外の空間が見えたのかもしれない」(櫻井)。

 「シティー・ポップっぽい感じがあったので、最初は16分のノリとか、ゴーストノートを結構入れたりしたんですけど、〈サビはもうちょっと伸ばしたほうがいいんじゃない?〉みたいな話になって、結果的にはいい意味でちょっと古臭くなったかなって。僕のなかでのテーマは哀愁で、どこかしら寂しさを出しつつ、でもブリッジのところにティッシュを詰めてミュートしたりして、音色で温かさも持たすことができたかなって」(エンドウ)。

 ラストを飾るのはもっともアグレッシヴなビートで攻め立てる“白”。クラブ・ミュージックからの影響を咀嚼しつつも、原点はロック・バンドであることを再認識させる。

 「“白”はカオスをテーマにして、リズムで混沌とした雰囲気を作りつつ、歌詞は正解がない、人によって解釈が変わるようなものにしたいと思ったんです。西尾維新さんからインスピレーションを受けて、人の感情を揺さぶれるような曲が書けたらなって」(櫻井)。

 “白”は〈描いてゆくんだ 真っ白なストーリーを〉というフレーズで締め括られ、やはり新たな物語の始まりを想起させる。櫻井の歌詞は内省的な色合いも強いが、今作では多くの曲で〈光〉という言葉が用いられ、未来を照らし出す作品になったとも言えよう。

 「〈光〉を多く使ったのは無意識ではあるんですけど、僕、意外とネガティヴではないので(笑)。これからはライヴでももっとお客さんとコミュニケーションを取りたいと思っていて、神秘的なイメージで終わるのではなく、ライヴを観ることで、僕らとの距離が近くなったと感じてもらいたい。それが次のフェイズだと思ってます」(櫻井)。

 

レルエの作品。

 

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