ティンカーベル初野。2015年に活動休止したロックバンド、she might be swimmer(2019年に活動再開)のベーシストでもある彼が、2014年ごろからかじっていたDTMでソロ楽曲を制作しSoundCloudで発表したところ、EDMなど流行を大胆に取り入れたサウンドと、シニア層に関する辛辣な歌詞がごく一部で話題に。そのユニークな音楽は、クイズメディア〈クイズノック〉や、ニュースサイト〈ロケットニュース24〉などでたびたび取り上げられ、その名前を聞いたことがある人も多いかもしれない。
一応、手元の資料のプロフィールによれば〈有名な水族館の水を全部飲んだことがあり、現在はドMを派遣する会社の経営と、作家として「車の大切な部品」シリーズの執筆を行うかたわら、音楽活動を積極的に行う〉人物らしい。また彼のTwitterアカウントのプロフィールにも〈有名な水族館の水を全部飲んだ事があります/元気投資家/㍿大切な部品 代表取締役/ガキを余裕で倒してちびっこ相撲8〜98代目チャンピオン(現在も防衛中)/音楽でソロ活動(作詞作曲トラック歌)& she might be swimmerのベース〉などとある。どこまでが真実なのかはわからないが、とにかく水族館の水を全部飲む人であるようだ。
そんなティンカーベル初野が、本日3月4日に初の〈円〉(本人はCDのことを円盤の〈円〉と呼ぶ)でもあるミニ・アルバム『笑顔』を全国流通で発表。リリースにあたり、Mikikiに「どうしても、どうしても全編ウソのインタビュー記事を載せていただきたい」とのオファーがあり、彼にメール・インタビューを敢行した。その一部始終を掲載する。
――古今東西の音楽情報が集まるMikikiの読者に向けて、まずはティンカーベル初野さんの自己紹介をお願いいたします。
「初めまして。シンガーソングライターの心愛(ここあ)です。普段はライブハウスを中心に活動していて、最近では定期公演『グローリデイズ』を頑張っています。それ以外の生活は、寿司屋とかの生簀の魚を盗んで転売してメシを食ったり、パチンコで勝った金で生活しています」
――バンド(she might be swimmer)での活動とソロ活動の違いを教えてください。
「違いは、弦の数です。バンドは、4本の弦で、ソロの時は0本です。あとは、バンドはメンバーがいるので全体の弦の数も多いです。でも自分以外のメンバーが全員刑務所にいた経験があるので、また逮捕されて弦の数が減ってしまうのが心配です。全員、スーパーに置いてある牛脂を勝手に食い過ぎの刑で逮捕されたので、同じ過ちをしないようにケアが必要だと感じています」
――初野さんの楽曲と言えば、ワールドワイドに通用するようなEDMのトラックに、捉えどころのないリリックが特徴的ですが、ご自身ではどのような音楽を作っていると思われていますか?
「故郷の星の姫を探しているので、その姫に届くような楽曲を作っています」
――そんななかで初の作品でもあるミニ・アルバム『笑顔』が本日3月4日にいよいよリリースされます。この作品にはどういった曲が収録されていますか?
「王道のメロディックスピードメタルなので、元気のいい弾けるようなテンポに速弾きが炸裂する気持ちの良い曲ばかりです。特に表題曲の“木を食ったら意外とうまかった”と最後の“小学校の体育着を着ているので私は小学生です”はBPM630なので自分でも何やってるかよくわかりませんでしたが、聴いてて気持ち良い曲です」
――今回のミニ・アルバムには各曲のインストバージョンも収録されていますが、それはなぜですか?
「なんか、親が〈出したほうがいいよ〉って言ったからです」
――楽曲やリリックはどういう時に思い浮かびますか?
「知らねぇババァの原付を勝手に売るのが趣味なのですが、その原付の査定を待ってる時間によく思いつきます。あとフェリーのデッキからガキの新品のチャリ(補助輪つきのみ)をボンボン海に投げてる時も結構思いつきます」
――普段はどんな音楽を聴いていて、どんな音楽からインスピレーションを受けますか?
「やっぱり周りにいる身近なアーティストからが多いですね。昔からの友達でもありライバルのおしっこバトルシップとか、よく共演するDJパンティー燻製とか、あと最近だとレオナルドパンティー燻製 feat パンティー燻製2の『約束』に刺激を受けました」
――では歌詞のほうはいかがですか? 音楽だったり、本やマンガだったり、映画だったりでも構いませんが、インスピレーションの元になるようなものはありますか?
「さっき出たおしっこバトルシップはプライベートでも仲が良いのですが、彼らと遊んだ時に起きたおもしろかった出来事をよく歌詞にします。ジェイミーひろむ(ベース)、ジェイミーつとむ(ドラムス)、ジェイミーしんたろう(ギター)とよく遊んでます。でもボーカルの雷鳴クロエくんはそんなに喋ったことないです。個人的には遊んでみたいのですが、ジェイミー3兄弟が露骨に嫌がります」
――初野さんの歌詞にはよくシニアの方が登場しますが、これはなぜですか?
「実は、私は地球ではない星の生まれなんですけど、私が16歳の頃、地球から来たジジィとババァたちに故郷の星を破壊されました。その後生き残った仲間たちと宇宙を彷徨っていましたが、ある時、故郷の星の姫が地球の日本という所で芸能活動をしているという情報を知りました。何の因果か……我々は憎きジジィとババァがいる地球へ、姫の捜索と奴らへの復讐のため住むこととなりました。その恨みと覚悟と姫へのメッセージを込めた歌詞のためシニアがたくさん登場します」
――今作で特に苦労したところを教えてください。
「今作を作っている時、故郷の星の生き残りの仲間と考え方の違いで衝突し、離散しました。私はそんなこと絶対にないと思っているのですが、私と別ルートで調査していた仲間曰く〈姫が自らの手で我々の故郷の星を破壊した〉と。私は唖然としました、そしてもう一緒にはいられないなと思いました」
――アルバム・タイトルの『笑顔』に込められた意味を教えてください。
「〈親指の爪ってめっちゃ臭いよね〉って意味を込めました」
――本作をどんなお客さんに聴いてもらいたいですか?
「お客さんというか、故郷の星の姫に届いてほしいです。そのための全国流通です。コリンの民は今もあなたを必要としています」
――また、本作のリリースパーティーが4月26日(日)に行われます。これはどういったイベントになるのでしょうか?
「地区のガキが集まって、お昼はこどもおみこしをしたり、夕方からは囃子連のみんなが太鼓や笛で会場を盛り上げます。あとは子供会のお父さんお母さんがフランクフルトを焼いたり、麦茶とかを出してくれます。楽しいので是非来てください!」
――今後、楽曲の題材にしたいテーマはありますか?
「野球が好きなので、野球についての曲を書きたいです。野球は、結構声を出すので、そこが好きです。この前小学生チームと試合をして99-0で勝ちました。ザコでした(笑)。あとは爪を食うのが好きなので、早く爪伸びねぇかなって曲を書きたいです」
――次回作の構想などはありますか?
「DJパンティー燻製と、パンティー燻製2と、レオナルドパンティー燻製と、おしっこチャチャ丸と、キャンタマ機械獣神で新たに面白いことをやろうと企んでいます。俗に言うコラボアルバムってやつですね」
――それでは、今後の目標や夢はありますか?
「竹細工の素晴らしさや奥深さを今の若い人に知ってもらうことです。体験教室では竹とんぼや竹の手裏剣みたいなやつを2年かけて教えるカリキュラムを組んでいますのでどしどしご応募ください」
――ところで、初野さんと言えばK-Popアイドルがお好きなことでも有名ですが、結局のところどのK-Popアイドルが一番お好きなんですか?
「システム・オブ・ア・ダウン(System Of A Down)やキルスウィッチ・エンゲイジ(Killswitch Engage)、あとチルドレン・オブ・ボドム(Children of Bodom)、ドラゴンフォース(DragonForce)が好きです」
――ありがとうございました。
LIVE INFORMATION
ティンカーベル初野pre 1st Mini Album “笑顔” Release Party
『あのさ、皆で音を出すと楽しいよね(≡^∇^≡)』
2020年4月26日(日)東京・吉祥寺 WARP
開演:18時くらい
チケット:2,300円(+1ドリンク代)
出演:ティンカーベル初野/逃亡くそタわけ/神々のゴライコーズ/ペドラザ and more