Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯による、最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉は、毎週火曜(歌謡)日に更新中。今週は第62回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyプレイリスト
 

【小峯崇嗣】

New Biboujin “Bapt”

東京と京都の遠隔地で活動する3人組のドラムレスポストロックバンド、New Biboujinによる3ヶ月連続リリースのラストを締めくくる”Bapt”が先週リリース。それに相応しいように、壮大なサウンドと曲展開に圧倒されます。幽玄なシンセとメロウなギターが重なり、浮遊しているような感覚になります。また彼らは今回のリリースに併せた限定グッズも販売。こちらもお見逃しなく。

 

MADE IN HEPBURN ”マゼンダ”

福岡で活動する5人組バンド、MADE IN HEPBURNの待ちに待った、1年半ぶりに届けられたニューシングル”マゼンダ”。南国の海沿いで寝そべりながら聴きたくなるような、優雅で温かい一曲。グルーヴ感あるメロディーの中に、レゲエ調のシンセやストリングスも入れたり新しい彼らの試みも垣間見えました。

 

キライ “鯨”

都内を中心に活動するSSW、キライの2019年にリリースされた”鯨”をご紹介します。ダークなオルガン風のシンセが響き渡るニューウェーブな一曲。そしてなんといってもソウルフルで透き通るような歌声に圧倒されます。後半のラストの1分の素晴らしい展開を聴き逃さないように。

TOWER DOORSからは彼女に〈6つの質問〉も行っています。気になった方はぜひ併せて読んでみてください。

 

【田中亮太】

KONCOS “All This Love”

KONCOSはなぜゴスペルに向かっていったのか? この曲を聴いて、それは〈愛を歌いたいから〉だとわかった。3ピースのパンク・バンドによる“Sunday Candy”以降のポップ解釈としても完璧では。

 

ガウディーズ feat. 田島ハルコ “レスラー”

Dos Monosの荘子itをフィーチャーした“アンインストール”も良かったガウディーズが、今回は田島ハルコを召喚。めちゃくちゃ美メロ × ハイパーで爽快感に溢れたサウンドと、ちょっとELO感も漂う名曲に仕上がっています。“アンインストール”を採り上げた本連載で、天野くんがベータ・バンドを引き合いに出していましたが、自分はこの曲で全盛期のスーパー・ファーリー・アニマルズを想起したり。こういうヘンテコだけどチャーミングなポップが大好きです。それにしても田島さん、ここ最近、〈ふれるものみな輝かせてしまう〉という無敵のミューズ状態ですね。

 

betcover!! “Love and Destroy”

betcover!!を小袋成彬がプロデュースって、もはや座組だけで興奮するじゃないですか。小袋ならではのリッチな低音が、ヤナセジロウの寂寥とした心境風景をいっそう際立たせています。60年代のカラフルさと、現代的なイルさを混ぜ合わせたようなサイケ感もフレッシュ。

 

HARCO「ラストライブ(2017年)at 東京・吉祥寺 Star Pine’s Cafe」

青木慶則が、HARCOとして最後のライブとなった2017年、東京・吉祥寺Star Pine’s Caféでの映像を公開。全キャリアを網羅したセットリストに、ホント良い曲ばかりだな~としみじみ。J-Pop史に残るべき名盤ミニ『Night Hike』(2005年)からの2曲が嬉しいです。5月末までの期間限定で、Star Pine’s Cafe への寄付を募るための公開。詳しくは青木本人によるnoteをチェックしてみてください。

 

【酒井優考】

チアキ “雨あがり”

チアキさんが公式YouTubeチャンネル〈チアキ邸〉を開設。誰に会いたかったかも忘れそうだったけど、ちょっと思い出しました。

 

打首獄門同好会 “明日の計画”

〈しんどかった分 めっちゃ楽しいことしたい〉。俺も。

 

まさし(御多忙プピーピ) “豆苗のうた”

御多忙プピーピの変態ギタリストが〈低クオリティ曲〉と称したソロ曲を発表。いや、そんな低クオリティじゃないし良かったよ! なぜか豆苗についての曲だけど(この辺が変態と呼ばれる所以)。

 

【天野龍太郎】

valknee、田島ハルコ、なみちえ、ASOBOiSM、Marukido & あっこゴリラ “Zoom”

7人の侍……じゃなくて、6人のフィメール・ラッパー。〈うっせーブーンバップ爺は沸いとれサンタフェ見とけ〉とカマすvalknee。〈すごい6人が集まっちゃった!〉という、超強力な一曲。特に田島さん、やっぱり最高。

 

DOGMA “for K”

逮捕された漢に覚せい剤の陽性反応が出た、ということを受けてのメッセージ。生々しい言葉から果てしなくイメージが広がっていく、おそろしいラップ。これこそヒップホップだと思いました。

 

TAMTAM “Beautiful Bad Dream (Home Edition)”

先週、ニュー・アルバム『We Are the Sun!』を配信リリースしたTAMTAM。その収録曲“Beautiful Bad Dream”の〈Home Edition〉は、テンポを速くして大胆にディスコ化したヴァージョン。パーカッションが鳴り響く感じ、アーサー・ラッセルを思わせます。最高! 『We Are the Sun!』は、もちろん超最高なマスターピースですので、マストで聴いていただくようにお願いいたします。

 

豊田道倫 “明るい夜”

HYPER GALの角矢胡桃(ドラムス/ノイズ)、みのようへい(ベース/コーラス)、And Summer ClubのTokiyoさん(ギター/コーラス)、岡敬士(シンセサイザー)と録音された豊田さんの新曲。ヴェルヴェット・アンダーグランド・スタイルのロックンロール、その2020年版、というか。淡々としているようでいて、強烈にエモーショナル。

 

AMIKO “‘Kaibututeki mirai’”

AMIKO · ‘Kaibututeki mirai’

TOWER DOORSに登場したAMIKOさんの新作は、安川有果監督による〈在宅映画制作〉プロジェクトの短編「怪物的未来」のサウンドトラック。断片的な音(楽)のかけらが、ときに厳かな、ときに楽しげなイメージを描いていく。“空1”で歌声が入ってくると、やっぱりぐっと引き込まれます。