それでも彼女たちは未来に向かって歩き続ける。ライヴの熱気、変化していく季節の流れ、一瞬一瞬の感情……かけがえのない記憶をパッケージしたEP『Sweet & Sour』が完成!
3月に〈バラエティアルバム〉と銘打った快作『Dress to Kill』を放ち、5月から〈ExWHYZ TOUR 2024 ‘Futura Free’〉で全国を巡ってきたExWHYZ。そんな彼女たちから届いた夏の便りは、活動休止中のmidoriko以外の5名でレコーディングしたEP『Sweet & Sour』です。6月末にはmayuの体調不良に伴う休養も発表され、当面は4名体制で活動していくという状況のなか、ライヴの多幸感を表現すべく新たなチャレンジを刻んだ新作について、mahoとnowに話を訊きました。
感情ありきのライヴ
――今回の〈Futura Free〉は全19箇所20公演の長いツアーですが、名古屋公演から急遽4人体制になりましたね。
maho「いろいろありつつ、その時その時の形でExWHYZをやっていく気持ちで歩みを進めているところです。その日はその日しかないので、やっぱり来てくれたマスター(ExWHYZファンの総称)のみんなと、いまできる私たちの形をちゃんと作ろうって。この状況になって、いままでと別の確度で考えたり、それが増幅したりしていて、この先またみんなで考えていけたらもっと良いものができると思うから、いまはその時のために驕らず感じられるものをそれぞれたくさん感じたいなっていう時ですね」
――この記事が出る時点ではファイナル目前ですが、もともと〈Futura Free〉はどういう意識で臨んできたツアーなんでしょう。
maho「ライヴハウスを回るのは去年の〈eLATION〉ぶりで、去年やったからこそわかることもあるから、各地でマスターのみんなとの瞬間を今年はもっと密に感じたいねっていう話はずっとメンバーとしていました。あと今回は鹿児島とか宇都宮、埼玉、盛岡とか初めて行ける場所も多くて、そうやって新しい場所に行けることも大事にしていきたいねって話してましたね」
now「去年の夏のツアーは1公演ごとに〈楽しかった!〉〈楽しい!〉の気持ち満載だったのが、今回のツアーはめっちゃ感情ありきのライヴをしてるなって思います」
――意図的にそうしている?
now「ううん、意図的じゃないから逆に自分もびっくりでした。浜松の公演でパフォーマンス中に涙が止まらなくなったりもして。それはマイナスな気持ちじゃなくて、その空間が幸せで、自分がこんな感情でみんなとの時間に向き合ってることに驚いたというか、〈そんな自分もいることに気付かせてくれたみんな、ありがとう〉っていう気持ちでくるものがあって」
――それ以降、そういうモードに入りやすくなった?
now「入ります。〈今日はどんな自分を見せてくれるんだろう〉って、自分に対して」
maho「カッコイイ(笑)」
now「それが刺激になるし、手応えとはまた違うんですけど、1つ1つを積み重ねてるのは凄い感じます」
――mahoさんは?
maho「私はそういうターンではないかもしれないけど(笑)、nowがそうなってるのも感じるし、自分よりメンバーみんなのそういう雰囲気を感じてるかもしれない。練習やリハもあるから流れはわかってるけど、本番でまた違うものが出てくるとアガるじゃないですか。そういうのを味わうのが楽しいですね。それはメンバーだけじゃなくて、マスターもそうで」
――お客さんからの刺激も大きい?
maho「はい。声出しができるようになったり、オールスタンディングになったり、いろんな形を経て、少しずつできることを積み重ねてきて、いまはみんなが好きに踊ったり、名前呼んだりする時もあれば、びっくりするぐらい大きい声で一緒に歌ってくれたり(笑)」
now「びっくり。〈そこ歌うんだ!〉とか」
maho「新曲の“Sweet & Sour”を初披露した時も、好きに楽しんでいい空気がもうあるから、みんな自由に楽しんでくれていて。〈おもろ!〉って思ってます(笑)」