Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣の5人が毎週火曜(歌謡)日に〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今週も張り切ってまいります。紹介した楽曲は下記SpotifyとYouTubeのプレイリストにまとめているので、併せてお楽しみくださいね。 *Mikiki編集部
【酒井優考】
King Gnu “Teenager Forever”
2019年はKing Gnuの年になると言い続けてきたけど、実際その通りになったと思います。そして稼いだお金を好きなことに使ってMVにする。最高の発想だね(インスタのストーリーで突貫旅行をしてるっぽいと思ったらこんなことをしてたとは)。またその使い方も四者四様で、笑えるし泣けるし笑える(特に新井さんのシーンは何回見ても泣く)。最高オブザ最高。2020年もKing Gnuの年かも。
ニガミ17才 “幽霊であるし”
奇しくもこちらもPERIMETRON作。ニガミ17才が「バズリズム」の「2020年これがバズるぞ! BEST10」2位だって? こんな変な音楽がバズるワケないじゃん! この良さがわかるのはきっと自分だけ!!(という人たちが増えてるのか、やっぱりね)
【天野龍太郎】
田島ハルコ “HAPPY税”
1月31日(金)にワンマン・ライブ〈NEWWAVE GYARU〉@渋谷WWWを開催する田島ハルコさんの新曲。〈世界はクソ/人生は最高/なのにたまに最悪になるの何/許さないマジ/誰にも私の気持ちコントロールさせないのよ〉。全編パンチラインな強めのラップ・ソングです。〈#トワークが下手なギャル〉に笑いました。
釈迦坊主『NAGOMI』
年明けからEP『NAGOMI』に新曲“Light”と、立て続けにリリースをしているハードワーキンな釈迦坊主。これはEPの全曲をまとめたリリック・ビデオで、〈あっ、こんなことを歌ってたんだ〉とわかるのが驚きでした。
舐達麻 “100MILLIONS (REMIX)”
ちょっと前に出たビデオですが、ご容赦を。〈えっ、今更!?〉って感じでしょうけど、最近、舐達麻にめちゃくちゃハマっていて、アルバム『GODBREATH BUDDHACESS』を延々と聴いています。〈生きてるだけなら鳴らない音やら/ありふれた毎日じゃ起きえない事柄/いつもここから 常識の外側〉(G PLANTS)。ほんっとに最高。賽 a.k.a. BADSAIKUSHが表紙のインディペンデント・マガジン「DAWN N°1」を手に入れなかったのが悔しい……!
haruru犬love dog天使 “害”
繊細で、パーソナルで、フラジャイルな、はるるの新曲。サッド・コアのラップ・ヴァージョンというか、みずからビートを作った新境地の一曲で、思わず延々とループして聴いてしまいます。
ガウディーズ feat. 荘子it(Dos Monos)“アンインストール”
入江陽さんのレーベル、MARUTENN BOOKSからリリースされたガウディーズの新曲に、常に忙しそうなDos Monosの荘子it(ゲンロンカフェのイベントに出ててびっくりしました)がジョイン。なんだかベータ・バンドとかを思い出すローファイ/ジャンク/オルタナっぽさと、YMOちっくなシーケンスを弾くシンセ、そして荘子itのラップ……。聴き心地の悪いごちゃごちゃ感が逆に気持ちいい、ストレンジさとフレッシュさ。
マーライオン “スロウムード(band ver.)”
年末に発表されていたマーライオンの新曲。『ばらアイス』(2018年)収録曲をバンドで再録したようです。ベースは、“パプリカ”のベースを弾いていたという話題でプチバズっていた厚海義朗さん。編曲とドラムスとキーボードは石川浩輝さん。マーライオンの歌がどんどん進化しているのと、ダブっぽい音像が意外なのと、聴きどころが多い!
Discharming man “極光 -kyokkou-”
GEZANの新曲については亮太さんが書いてくれると信じて、今週の一曲は最後に持ってきました。
並々ならぬ覚悟を感じさせる音と言葉。強烈です。〈あれから四半世紀余りが経ち/テレビゲームの映像がまた映し出された〉〈優生思想に侵された男が自身の正当性を声高に主張する〉。Discharming manがあなたに突きつけるのは、血で血を洗うようなアメリカとイランの情勢、そしてこの国の惨状を背景にした、18分超のアクチュアルなロック・ソング。name your priceです。
【田中亮太】
GEZAN “東京”
もちろん今週の一曲です。GEZANが1月29日(水)にリリースするアルバム『狂(KLUE)』からのリード・ソング。アルバムは全編をBPM100で統一しているそう。昨年以降のライブを観るかぎり、ほとんどの曲間もシームレスに繋がっていることが予想でき、DJミックス的な方向性で身体の快楽を探求した作品なのかな……と期待に胸が膨らんでおります。そして、おそらく“東京”はそのなかでもキーとなるトラック。2020年のこの街に渦巻く感情をえぐるように切り取った言葉の素晴らしさは言わずもがな、BPMは変わらずもリズムやアンサンブルの組み合わせで、ここまで多様なビーチ/グルーヴを生み出す演奏が凄まじい。踊り続けることで、何が見えてくるのか。フィジカルな音楽体験が聴き手にもたらす影響は、ここ1年くらいの自分にとって思考テーマでもあります。
踊ってばかりの国 “青いピアス”
今週の一曲、その2。悪魔的で神々しいロックスターな側面はもちろん、スィート&テンダーな踊ってばかりの国も最高。くっきり左右にわかれた2本のギターがくっつかず離れず、どちらも飄々とした佇まいなところが素敵です。
【高見香那】
Tomggg × pinoko “Sweet Salt”
Awitchの新作『孔雀』が物凄かったのでここ数日は延々聴いていたのですが、こちらTomgggのラブリーな4曲入りニューEP『Unbalance』もとっても素敵。中でもChilly Sourceのpinokoをフィーチャーした一曲がお気に入りで、大人でも子供でもない微妙なお年頃を歌った(ですかね)リリックも相まって、キュンとしてしまいました。
999999999『reorganize』トレイラー
先日行ったイベントでたまたま観て知ったハードコア/パンク・バンド、999999999(9が9個でキュウと読む)。パフォーマンスが抜群にかっこよく華があって(ヴォーカルのVOLTさんはモデルや俳優としても活動中で、映画「花と雨」にも出演しているらしい?)、一発でファンになってしまいました。メンバー皆が異なるヴィジュアルをしていたのもいまっぽくてよかったな。とにかく、またすぐにライブを観たい!という気分。あ、『reorganize』は昨年10月リリースのおそらく最新アルバムのようです。
【小峯崇嗣】
Takara Araki “DIE FOR ME”
Takara ArakiのセカンドEP『DIE FOR ME』より、タイトルトラックを紹介。初めてこの曲を聴いた時に、前作『Paranoia』からのサウンド面での進化に驚かされました……。洗練されたポップスやクラシック的アプローチがなされたダークなエレクトロニック・サウンドで、彼女の計り知れないセンスが詰まった曲になっています。
彼女には、メール・インタビュー〈6つの質問〉も行いました。これを読めばよりTakara Arakiについて知ることができるので、併せてぜひチェックしてみてください!
pandagolff “JC”
サイケデリックとポスト・パンクを織り交ぜた不思議な感覚な一曲。とくにヴォーカルの歌声がクセになります。