8人で新世界を拓いてから1年余り――待望のフル・アルバム『DAY 2』が堂々の完成。繰り返す日常が各々の創造性とポテンシャルによってフレッシュな光を放っている!

進む方向が明確になった

 元祖ヒップホップ・アイドル・ユニットとして10年以上の活動歴を誇るlyrical schoolが、男女混合8人組の新体制としてリスタートを切ったのが2023年2月のこと。それからの1年間、初EP『NEW WORLD e.p.』のリリースや精力的なライヴ活動、定期イヴェントの開催、C.R.I.B.(Creative Relaxation and Inspiring Break)なる専用スタジオのオープン、さらに個展の開催やZINE制作といったメンバー個々の動きを含め、新生リリスクは多方面でクリエイティヴィティーを発揮してきた。そして今年2月には、現体制での活動1周年を記念したワンマンを東京・秋葉原CLUB GOODMANで開催。この1年の総決算とも言えるステージで、彼らはそれまで以上の充実感を感じたという。

ryuya「僕はtofubeatsさんやokadadaさんのDJがきっかけで10年くらい前からリリスクが好きなんですけど、この間のワンマンは、いままでリリスクを観てきたなかでも一番と思うくらい、いまの8人でしか出せない熱気を、お客さんと僕たちの間で感じました」

mana「前体制の盛り上がる曲もセトリによく入れるんですけど、そこを越えて“House Party”とかの現体制になってからの曲の熱量がグワッと上がるんですよね。それを特に感じたのが1周年ライヴでした」

hana「その時期は他にもけっこうライヴがあったんですけど、どれも良いライヴができていたと思うし、そういうときは雑念が消えてゾーンに入ったような感覚になるんです。だからすごく記憶に残っていて」

minan「それこそ“PRIDE”(2014年のシングル)のリリイベが続いて最終日がLIQUIDROOM公演だった時の盛り上がり方を思い出しました。その時もお客さんと演者の全員で作り上げていった感覚があって。正直、集客面では当初考えていた1年目の目標には届かなかったけど、パフォーマンスや精神面ではみんなすごく成長しているし、運営サイド的にも、この8人であればどの方向に舵を切っていくべきかが明確になった、この先の2年目に向けてすごく必要な1年間でした」