加藤浩子「オペラで楽しむヨーロッパ史」時代を映し出す鏡としてオペラを捉え直す新鮮な切り口の一冊

2020.06.26

2015年刊行の「オペラでわかるヨーロッパ史」(平凡社新書)の応用編。前半は作曲家中心でモーツァルトの「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」の誕生とフランス革命など18世紀終盤のヨーロッパ社会の変容、ヴェルティがイタリアの統一過程に取り込まれた理由、現在形の問題であるワーグナーと〈政治〉の関係の起源。後半は視点を変えて「蝶々夫人」誕生の背景、ジャンヌ・ダルクやシェイクスピアの「マクベス」と「ハムレット」がオペラでどう描かれたかを綴る。事実を踏まえながらメリハリのきいた筆致でまとめられ、オペラ映像ソフトの案内もある。入りやすく中身の濃い新書。

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