HOTTER THAN HOT
11年目に突入した4人が挑む新たなパズル

 「折り返しから後半戦に入ったあたりで、俺らの情熱とかチームワークがガス欠気味になって、もう一度みんなでエンジンを吹かし直して、意識を確かめ合いながら迎えた10周年。だから、そこでグッと踏み込んだスピードと熱量は落としたくない」(SHOCK EYE)。

 昨年迎えたメジャー・デビュー10周年を経て、気持ちも新たに走り出した湘南乃風。その始まりの一歩となるシングル“パズル”は、いまの彼らの熱量を改めて示すものと言えそう。テレビ朝日系木曜ドラマ「ゼロの真実~監察医・松本真央~」の主題歌のオファーに端を発するこの楽曲で、4人はさらに大きな夢のパズルを形にせんと、まだ見ぬ未来に思いを馳せる。

 「10周年を乗り越えるつらさとかハメていくパズルのピースの多さをわかったうえで、より良い10年にするのは大変なこと。またゼロからのスタートってところで、音的に攻めてるけどそれ一辺倒じゃないバランスの曲が出来たかな」(RED RICE)。

湘南乃風 『パズル』 トイズファクトリー(2014)

 シリアスで緊張感のあるトラックは、HAN-KUNのデモを叩き台に、SHOCK EYEがアレンジャーと共に仕上げたもの。随所に盛り込んだ展開を含め、全体にドラマ本編をイメージしたという。

 「HAN-KUNのトラックはどストライクなダンスホールでグルーヴ重視だったけど、それを崩さずに展開があって、画やシーンが見えるようなアレンジにしていった。サビをメジャーにするかマイナーにするかみたいなところも含めて、かゆいところに手が届くレヴェルの話し合いもして作っていきました」(SHOCK EYE)。

 そして、作り込んだ“パズル”に対し、カップリングの“Freeeeeeeee”は今年各所で出演が予定される夏フェスも想像しながら作った、RED RICEいわく「いろんな人に一発で届く、みんなで盛り上がれる曲」。“覇王樹”(2006年作『湘南乃風~Riders High~』に収録)がアイデアのベースという、RED RICE主導によるネオ・スカ調のバンド・サウンドには、降り注ぐ夏の日差しが相応しい。

 「湘南乃風のひとつの側面として、こういうアッパーで夏っぽい曲は似合うし、四者四様のスタイルの違いもおもしろいし、すごい新鮮だなと」(SHOCK EYE)。

 底抜けに明るいパーティー・ムードで進む曲には、〈この場所から世界へ〉と向けた彼らなりのメッセージも込められている。

 「自分らのイヴェントでもゴミの問題を投げ掛けると、みんなゴミ拾ったりポイ捨てしなくなったりして、すごいキャッチボールできてんな、場をいっしょに作ってんなって実感する。それは俺らの世界の話だけど、同じ思いを持てばいろんなことを良くしていけるってことも曲のメッセージに入って、楽しむだけじゃないフェスの意味も問えたし、この曲やってよかったと思う」(RED RICE)。

 「新しいことに挑戦していける土台を築いた」とSHOCK EYEが語る10年を糧に到着した本作。では、彼らの次なる展望は……?

 「自分らがそのときそのときでカッコイイって思えるものを純粋にやればいいんじゃないかな」(SHOCK EYE)。

 「これまでの10年もそうだけど、新しいことに挑戦することが原動力。お互い尊重していろんなものを採り入れやすくなったし、いままで以上に化学変化を起こしていくと思う。サウンド面でも活動の面でも」(RED RICE)。

 

▼メンバー関連の近作

左から、HAN-KUNの2014年作『VOICE MAGICIAN IV ~Roots & Future~』(トイズファクトリー)、SHOCK EYEが在籍するTHE 野党の2014年作『10:10 PM』(ソニー)、若旦那の2013年作『LIFE IS MOUNTAIN』(Tank Top)
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▼湘南乃風の作品を一部紹介

左から、2006年作『湘南乃風 ~Riders High~』、2013年作『湘南乃風 ~2023~』(共にトイズファクトリー)、鎧武乃風名義のニュー・シングル“YOUR SONG”(avex trax)
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