手紙でつながっていく過去と現在、未来をなるべく優しく描いた作品。緑が美しい夏の景色は、どこか湿っぽくてすこし切ない。そういう画の中に広瀬すず・森七菜のダブルヒロインが本当に映えていて、みずみずしくて強さのあるふたりの演技はずっと見ていたくなります。「お姉ちゃんのふりをして手紙を書いていたら、お姉ちゃんの人生がまだ続いているような気が、ちょっとしました」というセリフが好き。手紙に代表される〈形のある言葉〉がなくならないといいなと思うし、観た後は自分にとっての宝物を探したくなると思います。小林武史作曲の主題歌“カエルノウタ”は森七菜のデビュー・シングル。これがまた良くて……さすが監督、裏切らない!