ブロンディのフロントウーマンであり、NYパンク・アイコンの1人がその半生を綴る。ヴェルヴェッツやラモーンズはもちろんウォーホールやバスキアといったかの地の神聖化されたレジェンドたちが、生身の人間として登場するさまは、ある視点からのNY小史ともなっておりエキサイティング。そして、セックスやドラッグについてもあっけらかんと語り、男社会のなかで男化することなくナチュラルに〈女性〉であり続けたデビーの姿に、あとに続いたフィメール・ミュージシャンたちが透けて見える。冒頭に記された言葉は、〈地下世界のすべての娘たちに捧ぐ〉。まさにそう!